みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

クイズ☆正解は一年後 presents あつしの名探偵(Switch)

クイズ☆正解は一年後 presents あつしの名探偵
ハッピーミール
2023年12月31日
Nintendo Switch


本作は2013年からTBSテレビで毎年年末に放送されている『クイズ☆正解は一年後』の企画から生まれたファミコン風のアドベンチャーゲーム。番組では実際にファミコン実機で遊べるROMを10本作って全国の中古ゲームショップで販売。ゲームを買った人が約半年後の番組生放送までに何人クリアできるかというのがクイズになっていました(結果は0人)。番組の後半でこのゲームがSwitchで発売されることが告知されるという流れで、ダウンロード版の値段は1000円とお手頃価格。
以下、クリア後の感想。
※ネタバレなし

 

全体的なゲームデザイン、ビジュアルやBGMは1987年にナムコから発売されたファミコンソフト『さんまの名探偵』のオマージュ。当時のアドベンチャーゲーム(ADV)はいわゆる「総当たりコマンド方式」が一般的で、とにかくフラグ立てが面倒でなかなか先に進めない。携帯用ゲームなどで細々と生き残っていたジャンルではあるのですが、最近ではファミコンADVオマージュの『伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠』(2019年)がシリーズ化されるなど、一部のファンからの人気が再熱しています。本作はこのミステリー案内シリーズを手掛けたハッピーミール開発ということで、テレビの企画モノの水準をこえた手堅い作りになっています。

 

マップ画面は『さんまの名探偵』と比べると大分チープな印象を受けてしまう。とはいえ、雰囲気の再現度は高い。全体的に凄くがんばっている感じが伝わってきて好感触。メインのBGMも良い。

 

本作の説明文には「本ゲームは演出の都合上、高難度・不親切な作品となっております。理不尽かつ悪意のあるクリア条件などが多分に含まれますので、予めご理解の上、お楽しみください。(ご購入後のクレームには応じかねますのでご注意ください)」とあります。
ファミコン時代のADVに触れたことがない人にとっては、前出した総当たりによるフラグ立てだけでもかなり苦しむだろうと思われますが、それ以上にこの文章からは『たけしの挑戦状』(1986年)のような理不尽なシステムが採用されていることを仄めかしているようにも取ることができます。
で、実際に本作中にはそういった理不尽なものも含まれています。
ただ、その理不尽さはあくまでも番組の放送までにクリアされることを想定した上でのハードルであって、Switch版では誰でも攻略しやすいように公式の情報交換BBSが用意されているので安心。

 

終盤に突然『魔界村』(1985年)風のアクションゲームになって絶望しかけましたが、魔界村よりも少し難易度が低い絶妙なものになっていて助かりました。ただ、ラスボスの動きが速すぎて詰みかけたのですが、ゲームオーバーになった瞬間にAボタンを連打していたら倒したことになっていました。バグ?


本作の監修は『クイズ☆正解は一年後』の企画/演出/プロデューサーを担当している藤井健太郎氏。これまで放送された同番組ネタが随所に散りばめられていますが、今回(2023年)の放送だけ見ていれば十分楽しめるものになっていました。逆に、真犯人に関しては今回の放送を見ていないと意味が全く分かりませんが。

出演しているタレントも有名な方ばかりなのですが、会話の内容もキャラクターにしっかりと合っていて、そこもちゃんと『さんまの名探偵』に近付けているのが良い。
タレントをメインに据えたゲームはスマホアプリなどで探すと結構出ているのですが、本作のように関係者がきっちりと関わっていると質が格段に向上するのだと実感。野田ゲーしかり。
普通にゲームとして面白いんですよね。

企画モノと侮るなかれ、アドベンチャーゲームとして十分楽しめる良作でした。

 


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