みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

電車でGO!! はしろう山手線(PS4)

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電車でGO!! はしろう山手線
スクウェア・エニックス
2020年12月2日
PlayStation 4,Nintendo Switch

 

電車でGO!!シリーズは10年ほど前にPC版をよく遊んでいて、初めてプレイした時の興奮はそれはもう本当に凄くて。東京の街のリアルな再現と電車を運転する臨場感、それにゲームとしての絶妙な難易度が相まって、私の中では最も好きなゲームのひとつとなりました。本来アーケードで人気の電車でGO!!シリーズですが、本作は家庭用移植版としては実に16年ぶりの新作。

ただ、私自身電車に全く興味と知識がないため、今回はあくまでゲームとしての「体験」についての感想をメインに書いていきます。

 

通常モード

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メインとなるのは「おうちでGO!モード」と「アーケードモード」の2つ。

アーケードモードは文字通りアーケード版を移植したものとなっており、アーケード版と同じミッションと難易度を選択して走るコース。

おうちでGO!モードはオリジナルのミッションで得点を稼いで最終的に免許皆伝運転士の称号獲得を目指します。家庭用としてはこちらをメインで攻略し、隠し要素をアンロックしていきます。こちらにはデイリーモードもありますが、ルーレットなので同じコースを何度も引いてしまうこともあり、特別これといった面白味には欠けます。

全体を通して天気の種類が朝昼夕と、明るい時間帯しかないのが寂しい。

 

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ゲームのルールは従来のシリーズと同様、電車のスピードを表示された速度に調整しながら時間通り駅の停止位置に止めるというもの。右下にある「指さし確認」「警笛」「ライト」「ドアの開閉」のタイミングも重要で、これら全てを含む総合評価が下がりすぎるとゲームオーバー。

久々に遊んでみた感想としては「え、こんなに難しかったっけ!?」と思うくらいには難しく、ミッションの中盤で足止めを喰らい心が折れました。

基本的にはリアルな運転士シミュレーションなので難しいのは当然なのですが、初心者への甘やかし的なステージが少なすぎて序盤の時点でかなり辛い。

私が過去に遊んでいたPC版やPSP版ではもう少し気軽に遊べていた印象だったのですが、今回は半分も周れませんでした。これに関しては、ただ単に私が下手だというのもあると思います。ただ、自分で運転しなくても自動運転モードにすれば車窓から流れる景色を眺めることが出来るので、結果的に10時間程度は遊べました。

 

グラフィック

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グラフィックに関してはアンリアルエンジンを採用しており、丹念な取材とゲーム的なリアリズムを追求(※1)した圧倒的なビジュアル。発売前のゲームプレイ動画を見た時は本当に驚きました。各駅の特徴もかなりこだわって再現されているのが分かります。

しかし、東京の街のリアリティでいえばPC版の方が上だと感じました。アンリアルエンジンによって再現された本作の建築群はどれもピカピカの新築のように見えます。一方でPC版は一昔前の粗いグラフィックなのですが、それが図らずも鉄道模型でいうウェザリング(汚れや錆などの表現)のような効果を生み、リアルな東京の空気感を再現してしまっていたように思うのです。

 

※1,「特徴的な建物は再現されている。ただし雑居ビルはなんとなく雰囲気が似たもので印象を近づけるようにしたという。ここに違和感があると、やはり脳に負担がかかる。運転の邪魔になる。だからこそ、完全な再現よりも「本物っぽい」景色作りにした。そこでこだわった要素は「生活感」だった。」(文春オンライン 2021年01月23日)

 

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目線の高さやオブジェクト間の微妙な距離感の影響なのか、駅のホームが全体的に狭く感じます。実際山手線に狭いホームはいくつか存在しますが、それがさらに狭く見えます。

 

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看板についても、いくつかの適当な配色のシンプルなものが用意されているだけで、それ以外は無し。これらが至る所にあるので、どこまで走っても既視感が付きまといます。オリジナルの文字付き看板(PC版ではあった)を数種類用意するだけで大分印象は変わったと思います。

 

ここまでPC版と比較して色々と不満を書いてしまいましたが、これは完全に好みの問題であって、本作のグラフィック表現が一つの到達点であることは間違いありません。

 

VRモード

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VRモードは通常のコントローラーで遊ぶことが出来ます。

原宿発のコースを3つの中から選択。晴れの朝昼夕、7駅の区間に限定された短いものですが、VRに合わせた操作方法や運転台が用意されていて臨場感は抜群。

 

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通常モードでは不自然に見えていた景色も運転席から見ると凄くリアル。アンリアルエンジンの性能が遺憾なく発揮されていて、プレイヤーの体感に則したオブジェクトのサイズも完璧。もちろんそれら全てがデフォルメされた空間ではあるのですが、違和感を全く感じさせないゲーム的なリアリティを獲得しています。

 

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通常モードでは狭すぎると感じていたホームも、VR目線からだと自然な風景に。

 

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車窓からずっと景色を眺めているだけでも十分楽しいのですが、残念な事にVRには自動運転モードがありません……なんで!?
このゲーム、VR専用として出した方が良かったのでは?と強く思わずにはいられない程VRモードの出来が素晴らしく、通常モードではマップの良さを半分程度しか引き出せていないように思います。

プレイヤーは終始運転席に固定で、フレームレートが安定しているので酔う心配がない。もしこれに低難易度を設けて山手線を一周出来るように調整したら、しばらくの間は現実世界に戻って来られなくなってしまいそう。

 

感想

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電車にそこまで興味はないけど、鉄道模型などの箱庭系が好きならVRモードは大満足間違いなしの素晴らしい出来。

一方で通常モードは難易度が高く、ミッションのバリエーションも少ないので初心者には厳しいものになっていました。

美麗なグラフィックは初見こそ大きなインパクトを受けますが、大して変わり映えのしない天気のもとで見続ける景色はどれも似たり寄ったりのように感じてしまい、やはり過去作の方が味わい深かったように思えて仕方ありません。

発売後の無料アップデートにより、オンラインでのタイムアタックランキングなどが追加されたようで、運転の腕に自信のある方には長く楽しめる作りになっています。

 

 

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