みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

スペースチャンネル5 VR あらかた★ダンシングショー(PSVR)

f:id:miyabi-game:20200228091536j:plain

スペースチャンネル5 VR あらかた★ダンシングショー
グランディング
2020年2月26日
PlayStation VR

 

ほぼ使っていないモーションコントローラー2本で何かリズムゲームでもやろうかと思っていたのですが、「どうせなら知っているタイトルがいいかな」という老害アンテナが働き、そんなタイミングでちょうど発売された『スペースチャンネル5 VR あらかた★ダンシングショー』を衝動買い。

スペースチャンネル5』はドリームキャストで1作目(1999年)とPS2で発売された2作目(2002年)をプレイ済み。傑作だと思うし好きなゲームではありますがリアルタイムでプレイしていないのでそこまで思い入れはありません(ドリキャスでは『シェンムー』と『ルーマニア』が好きすぎるというのもありますが…)

ただ、このゲームに出てくる「うらら」ちゃんはドリームキャストというハードを代表するキャラクターと言っても過言ではなく、私のようなドリキャスファンにとっては「目についたら買う」という選択肢以外ありません!

 

f:id:miyabi-game:20200228091958j:plain

f:id:miyabi-game:20200228093146j:plain

チュートリアルから自然とストーリーに入っていく流れとか、ここら辺のテンポやノリの良さは流石。

映像の質感がすごいドリキャスっぽくて驚きました。『クーロンズゲートVR』のように「あの世界が綺麗になって蘇った!」という感動とは逆の、「昔やってたゲームの中に入れた!」という感動。

開発者インタビューを読むと、かなり苦労して意図的に過去作のテイストを再現しようとしていたようで、その試みは成功しているように思います。

視点は固定されていて酔うことはないし、ゲームの難易度も低いので誰でも楽しくストーリーを完走できるでしょう。

個人的には過去作で「うらら」ちゃんや他のキャラクターがクネクネ歩いて次のステージに向かうのが好きだったので、移動がないのは残念。

ストーリーは単純でわかりやすく、過去作のキャラが出てきたり、テンポも良くて最高なのですが、低難易度と相まってボリュームは少なく感じられました。

ボリュームといっても「ステージの数を増やせ」とかではなくて、家庭用ゲームとしては「繰り返し遊べるモード」が欲しかったかな、と。

アーケードから移植された『ホラー SENSE 〜だるまさんがころんだ〜』(2ステージで1980円)なんかもやはりボリューム不足な印象を受けたのですが、家庭用とアーケードでの満足度には差があり、今作『スペースチャンネル5 VR あらかた★ダンシングショー』の内容(4ステージ)や値段(3980円)も、その完成度とリズムゲーというジャンルを考慮すれば妥当にも思えますが「もっとこの世界に浸りたい。新しい発見がしたい」などの欲求に多少で良いので答えてほしかったです。

この作品がVR初体験という人には酔い対策や1ステージの長さなどのバランスは適正ですが、内容は完全にファン向けになっていているので自分のような中途半端なファンには少々モヤモヤ感が残りました。

 

f:id:miyabi-game:20200228104043j:plain

ストーリー以外にも様々なモードが用意されてます。

「トライアルダンス」はダンス100問組手みたいな感じで長く遊べそうだと思ったのですが、簡単すぎて一回でクリアしてしまいました。

演出が素晴らしくバカすぎて「私は何でこんなことしているんだろう」と思いながら踊る感じが最高だったので、これももっと長く遊べたら良かったですね。

 

f:id:miyabi-game:20200228105457j:plain

 「ビューイング」ではストーリーの流れを3つのカメラを切り替えて見ることが出来ますが、「うらら」ちゃんがピンチの時にもプレイヤーが棒立ちなのでコミュニケーションとってる感は皆無。ちょっと寂しい…

 

f:id:miyabi-game:20200228103544j:plain

今作『スペースチャンネル5 VR あらかた★ダンシングショー』はファングッズとしての完成度は高く、VR初心者用の入門ゲームとしても優れた作品だと思います (モーションコントローラー2本必須だけど)。

ただ、開発者のインタビューを読んでいて気になったのは「今のゲームと並べても古さを感じない」みたいな発言があり、確かにドリキャスのいくつかのゲームは時代を先取りし、後の様々なエンタメに影響を与えたことは事実ですが、正直「まだ言っているのか...」と。

今作の「うらら」ちゃんも昨今のVチューバー等の元祖のように捉えられなくもありませんが、実際プレイしてみると現在に通じる系譜や繋がりみたいなものはほとんど感じられませんでした。ステージのデザイン含め全体的に「ちょっと古い」くらいな感じです。

最近だと『シェンムーⅢ』もそうですが、時代を先取りしていた人たちが20年以上経ってもまだ昔の手法をそのまま現在に持ち込んできてしまう「足踏み感」はどうしても拭えず、今作と『シェンムーⅢ』に共通する「ファン向けだけど初心者にも配慮しました」という振り切れなさが逆にファンや初心者をモヤモヤさせてしまっているように思えて仕方ありません。

 

とはいえ、個人的には今後VRで『シェンムー 一章横須賀』や『ルーマニア』等のドリキャス作品が出たら間違いなく買うし、今作レベルのクオリティなら大満足です。

 

 

©SEGA ©GROUNDING INC.