みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

PlayStation VR WORLDS(PS4)

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PlayStation VR WORLDS

SIE London Studio

2016年10月13日

PlayStation 4

 

ちょうど現在2019年9月19~30日のPSVR1万円引きキャンペーン商品に同梱されている今作『PlayStation VR WORLDS』ですが、VRゲームの入門編としてはかなりの力作。

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ちなみに海外版のジャケはこんな感じです。日本版はレジャーっぽいイメージのイラストですが、全てプレイしてみるとこちらのイメージの方がしっくりきます。

全部で5つのゲームが入っているので1つずつ感想を書いてみます。

 

オーシャン ディセント

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 深海を探索するアドベンチャー…ですがゲーム性はなく、ただ海底に向かって下りながら周りを見回すだけ。

今作のプロモーションにおいてSONYがこの作品を大々的に推したのも頷けます。ゲームプレイによる操作性や3D酔いなどの問題をひとまず置いておいて、VRの特徴をわかりやすく体感するのに最も適した作品。

女性のナビゲーターが通信の声だけで案内してくれて、こちらからは何も出来ずゲーム的なインタラクションは皆無ですが、頭上に降り注ぐ岩やホオジロザメのアタックなど、思わず反応して身体が勝手に避けてしまうというようなリアクションはプレイヤーだけでなく、それを傍から見ているオーディエンスすら楽しませてくれます。

ただ、ホオジロザメや一部の人工物などはとてもリアルに見えるのですが、海底の全てがCGで作られているので全体的にはゲーム映像感が強いです。あたりまえなんですけど、普段ゲームを全くやらない人がVRを初めてプレイする時に過剰に「リアルさ」を期待して「CG感バリバリの魚群」を見てガッカリされてしまうなんてこともあります。ただの開発費の問題でVRとは関係ないんですけどね。

テレビ番組で『オーシャン ディセント』をプレイした後の松本人志さんが言った「海パン持ってくればよかった」は名言。

 

VR リュージュ

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『オーシャン ディセント』では固定された状態による上下の移動でしたが、こちらは一転して曲がりくねった坂道を頭の動きで操作しながら滑走してタイムを計るゲーム。ドコドコ鳴り響く原始的なBGMが秀逸。

ジェットコースターのVR動画なんかもそうなんですけど、身体を固定されていると酔いにくい不思議。

コースが複数用意されているわけではないので飽きが早いですが、VR体験としては優れモノで、普段ゲームを遊ばない人にも楽しさをわかりやすく伝えてくれます。

 

ロンドン ハイスト

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 FPSVRに落とし込む際の試行を重ねた結果、良質な短編アドベンチャーゲームとして高い完成度を実現。ある意味『PlayStation VR WORLDS』というゲームの価値はこの「ロンドンハイスト」に集約されているといってもよいかと。

プレイヤーが座っているだけのシーンが多いのですが、その間自由に手(コントローラー)を動かし、周りを見回すことで狭い部屋の中で起きているドラマを空間的に把握出来るという演出は、既存のシューターやアドベンチャーゲームの3D酔い対策としては最適解かと思えます。

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ダッシュボードを開けたり、拾ったものを投げる・使う等のゲーム内世界に直接干渉しないような「遊び」が多く入っていることで、プレイヤーがまるでその世界の中に実際に存在しているかのような没入感を持たせることに成功しています。

 

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銃撃戦は2パターン用意され、1つは障害物に身を潜めて数か所の固定されたポイントを移動しながらのものと、もう1つは車の助手席から追手の車両を撃つもの。

どちらもプレイヤーの周りの景色や人が目まぐるしく移り変わりながらも、プレイヤーは固定されているので3D酔いすることなく激しいアクションを楽しめます。

PlayStation VR WORLDS』の目玉と言ってよいほどの優れたVRゲームではありますが、この体験を実現させている一番の要因が「プレイ時間の短さ」であることもまたVRゲームの難しさで、これ以上の長時間プレイを前提としたボリュームには今作のプレイヤー固定の演出は耐えられないでしょう。

この問題に対するひとつの回答として、今作を手掛けたSIE London Studioが新たに開発した『ライアン・マークス』(2019年)がありますが、こちらのゲームについては別記事でレビューしたいと思います。

 

デンジャー ボール

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頭の動きを使ってコンピューターとひたすらボールを打ち合いするゲーム。

これは正直な感想としては、数合わせ的な?感じがしました。

頭の振り方によって強弱や変化球が打てるのは面白いのですが、視覚的に単調なので短時間で飽きてしまいます。

 

スカベンジャーズ オデッセイ

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ロボットのような中型のパワードスーツを動かして遊ぶゲームだと思うのですが、操作が始まり3歩ほど歩いただけで猛烈な吐き気に襲われて中断してしまったのでどんなゲームなのかわかりませんでした。

ですが、今回この記事を書くに当たって再度チャレンジ。何とかクリアしました。

PSVRを購入して最初にプレイしたのがこの『PlayStation VR WORLDS』だったのですが、正直この「スカベンジャーズ オデッセイ」は初心者殺し。こちらの三半規管を常に刺激してくるので、ある程度VR体験を積んでからでないと確実に序盤で詰みます。

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実際にゲームを進めていくと「ロンドンハイスト」並に作り込まれていることがわかります。ちゃんとしたストーリーがあり、ある程度の長時間プレイを前提としているので、いくらVRに慣れているとはいえ途中で休憩を挟まないとかなり辛かったです。

無重力の宇宙空間が舞台なので視点が上下左右反転するし、左スティックで移動・右スティックで視点操作という通常のゲーム操作方法を踏襲しながら銃撃戦は頭のセンサーによって対象を捕捉するので、慣れてくると便利に感じますがプレイヤーの動きとしては非VRFPSよりも複雑。

ラスボス戦ではプレイヤーの周囲360度を縦横無尽に泳ぎまわるボスを左右に現れる雑魚敵を排除しながら浮遊する残骸を引き寄せてぶつけることで怯ませてから攻撃します。ここまで来てこのゲームにもだいぶ慣れたつもりでしたが、ここでの最強の敵もやはり「猛烈な吐き気」だったことは言うまでもありません。

 

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VRで体験する宇宙空間の旅は神秘的で思わず見惚れてしまう景色も多かったです。

ただこれ、本当に難易度が高い。VR的に。

随所にVR的な調整が施されているものの、ほぼ既存のFPSをそのままVR化したかのような内容なので、多くのVR初心者は序盤で脱落するでしょう。

このゲームをクリアして感じたのは「人類にはまだVRは早すぎるのか...」という悔しさ。多くの人がこのゲームを初めから酔わずにプレイ出来たならゲームの表現は確実に次のステージに進んでいたと思います。しかし残念ながらこれは厳しい。

PlayStation VR WORLDS』はPSVRのローンチタイトルなので実験的に色々詰め込んだのだと思うのですが、「スカベンジャーズ オデッセイ」を楽しめるか否かで作品の評価は全く違うものになります。

軽い気持ちでVR体験がしたくて買ってみたのに最後にとんでもないものをぶち込んできたな、という。良い意味で「どうかしてる」と思います。

 

まとめ

家で人と遊ぶときの盛り上げ役として「オーシャン ディセント」や「VR リュージュ」は非常に優秀。一人でじっくり遊ぶのに「ロンドン ハイスト」はほど良い長さで確実に楽しめる名作。

これらのVR入門編的な作品集かと思いきや、VR最終試験としての「スカベンジャーズ オデッセイ」も入っているという。『PlayStation VR WORLDS』の開発費のたぶん1/3が「スカベンジャーズ オデッセイ」に充てられてるんじゃないかってくらい大作なので初プレイで挫折した人も修行を積んでから再チャレンジしてみてほしいです。

 

 

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