『2DARK』
GloomyWood
2017年3月10日
PlayStation 4、 Xbox One、 Microsoft Windows
フランスのインディーゲーム『2DARK』の感想です。
プレイヤーは刑事のスミスとなりグルーミーウッドという街で子供の連続誘拐事件を捜査していきます。
自宅やバーでの操作パートと誘拐犯のところに乗り込むステルスパートに分かれているのですが、これがなかなかハードな内容でストーリー的にもかくれんぼゲーム的にも十分満足のいく内容でした。
攻略方法は自由度高め
全ての面をクリアしましたが、正直どういったルートが正解だったのかわかりませんでした。
メタルギアのように見つかっても弾薬の数やマップ内の状況をうまく利用すれば切り抜けることが出来るのでステルス系が苦手な人でもパズルのように考えて自分なりのルートを見出すことが出来ます。
わたしもほとんどの面でだいたい皆殺しにしてしまいました。敵が壁に引っかかる(バグ?)のを利用したりして「もうだめだっ!」という場面を切り抜けました。
実績を見るとやはり敵をだれも殺さずにクリアできるようにはなっているらしいので上手い人はそこで難易度を上げることが出来るのも良いですね。
全部で6つのステージがあるのですが私は最後の面がいちばんスラスラとクリアできました。たぶん人それぞれのバイオリズムや発想で難易度が上下するので難しいと感じたら一度休憩してみて後に再開した時にあっさりいけちゃうかも⁉
ゲームとしては絶妙な難易度でもっといろんなステージを遊びたいと思うくらい面白かったです。
表現はかなり過激
過激なゲームって基本的に子供が出てきませんよね。グランドセフトオートにも子供は出てないしポスタル2では小人症の大人の役者の子役という設定のキャラを作るというアクロバティックな演出までしていたのですが、それほどまでに「子供が痛い目に合う・殺される」シーンというのはタブーなんですよね。これはゲームに限った話ではないんですけど。
この2DARKでは誘拐された子供を確保して安全地帯まで連れて行くのがクリア条件のミッションなんですが、もたもたしていると目の前で子供が無残に殺されるんですよ。
その描写も本当にひどくて、映画の『悪魔のいけにえ』とか『ホステル』に出てくるようなマジでヤバい奴らに引き裂かれる描写があります。
「きわどい表現」じゃあ済まされない感じです。私はこのゲームのこういった表現は受け入れられるのですが今後規制されても納得するようなものではあります。
実際にそういう事件はありますし、このゲームでは助けることが出来るのが救いなのですがそういった表現を受け入れられないような方にはお勧めできません。
ゲームの難易度が高めなので何度か投げ出しそうになったけど犯人たちへの許せない気持ちが高まりすぎて一気にクリアしてしまいました。
もうね、本当にひどい。
序盤の印象が
ビジュアル的にはDSみたいな感じだし、とにかく
死ぬ
死ぬ
死ぬ!!
あと画面がすごく暗いし「このゲーム、大丈夫か」と何度も思いました。
進めていくとストーリーの表現方法的にも攻略的にも全てが最適な演出だとわかるのですが序盤でやめてしまうとただのチープなクソゲーの印象になってしまうでしょう。
結論を出す前にステージ3くらいまでは進めてほしいところです。
傑作だが、危うい
猟奇殺人やサイコパスを扱った映像作品は多いですが、内容を精査せずに一部を切り取って毛嫌いする人は少なくありません。
しかも子供を扱っている。
このような挑戦的でマニアックな作品が日本語版でプレイできるのはゲーマーとしては嬉しいのですが危惧するところもあります。
ゲームに対するヘイト運動、他の問題をゲームにタゲ反らしする際のスケープゴートとして使われるんじゃないかと。
10年以上前のGTA3がやり玉に挙げられた時もただただ偏見に満ちていて不毛で、ゲームメーカーもそういった圧力にはただただ日和るだけなのでなるべく見つかってほしくないんですよね。
このゲームはすごくよくできている面白い作品なんだけど、声高らかに宣伝などせずに個人個人でひっそりと背徳的に楽しんでほしいなと思います。