みやび通信

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アモーング・ザ・スリーパ:エンハンスド・エディション(switch)

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アモーング・ザ・スリーパ:エンハンスド・エディション

Krillbite
2019年9月12日
Nintendo SwitchPlayStation 4Xbox、Steam

 

『アモーング・ザ・スリーパ:エンハンスド・エディション』はノルウェーのインディー作品。PCでの初リリースは2015年12月10日で、そこにいろいろ付け足したものが今回紹介するゲームです。

以下、クリア後の感想です。

※ネタバレなし

 

赤ちゃん視点で操作

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プレイヤーは2歳の赤ちゃんを操作して家の中や夢の中の世界を探索します。

「立って歩く」「ハイハイ」の2種類の移動方法があり、ハイハイではスピードが速くなるけど高いところに手が届かず、立った状態では移動が遅くなりますが走ることが出来ます。ただ、ある程度走ると転んでしまいます。

上の写真のように、ゆりかごの上から覗く母親など、赤ちゃんに見えているであろう風景描写が凝っていて面白いです。

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写真や動画では撮っている人の身長によってだいぶ違う印象を与えますが、主観視点だけで人物の特徴を伝えるのはゲームではかなり困難。

FPSにしてもプレイヤーの錯覚込みでカメラの高さが調整されているので、目線の高さだけで操作キャラの身長を表現するのは難しく、今作での赤ちゃんのような特殊な主人公の場合では人物と物との大きさの対比や、そこに説得力を持たせる演出が他のゲームより重要になってくるのですが(VR作品でよく見られる「小人化」など)、今作では違和感なくゲーム内世界に入り込めました。

 

ストーリー

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母親と食事をしたりプレゼントをもらう映像が終わるとゲームプレイ開始。

ここからは赤ちゃんを操作して子供部屋の中を探索します。プレゼントボックスの中に入っていたはずのクマのぬいぐるみ(以下テディー)が何故か別の場所に移動していて、見つけると話しかけてきます。赤ちゃんは言葉を話せないのでテディーに従いチュートリアルを完了。テディーは暗い場所で抱きしめると少し明るくなる懐中電灯のような役割を果たしてくれます。

 

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チュートリアルを終えて次のシーンに移ると部屋の中も外も真っ暗で雨が降っています。ここでの演出により今作がホラーゲームだということに気が付きます。最初のシーンでもどことなく不穏な空気は漂っていたのですが、ここから先は後戻りできません。

家の中で母親を探しても見つからない不安からか、そういった赤ちゃんの心理状態を反映したかのような夢の中の世界への冒険が始まります。

 

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※私はswitchのDL版で遊んでいたのですが、ここで一つバグに引っかかりました。夜の家の中を探索する中で、洗面所にある乾燥機を開けることでストーリーが進むのですが、この乾燥機自体が存在していなくて30分以上探し続けてしまいました。ロードしてやり直すと、この時点ではオートセーブ機能(予算的な問題とのこと)でオープニングからやり直さなくてはならず、しかもバグも直らない。ムービーはスキップできるのでニューゲームからやり直して何とか進めることが出来ました。幸いなことにそれ以降バグには遭遇せずにクリアできましたが、仕様上こちら側では気を付けようがないので困ったものです。

 

ゲーム性

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赤ちゃんが出来る動作「ハイハイ」「立つ」「登る」「開ける・閉める」を駆使してアスレチックのようなステージを攻略していきます。

高いところには引き出しの2段目を開けて登るとか、低い場所はハイハイで潜るなど。装備品がないので攻略を思いつけばサクサク進められ、難易度も高くありません。

 

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パズル&謎解き要素は最低限に抑えられ、基本的には探索していくだけで解決します。アスレチックの難易度は適度に調整されていて、同じ場所を何度も行き来することもあまりなく、赤ちゃん版『トゥームレイダー』といった感じ。

 

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中盤を過ぎると謎の巨大な影のようなものが追いかけてきます。これも一度やられて簡単なルートを憶えれば難なくクリアできる難易度で、ゲーム性というより演出面での効果に重きが置かれてます。こういった場面では細かくオートセーブが機能しているのでストレスを感じるようなこともありませんでした。

 

まとめ

赤ちゃん版『トゥームレイダー』と書いた通り、ゲームとしては本当に良く出来ていて、アドベンチャーゲームとしてのボリュームや難易度が絶妙。

赤ちゃん視点で描かれた世界観も、ファンタジーとホラーの中間の、不安感と不思議さが同居する独特なものでオリジナリティが高い。

不意を突いて驚かせるような演出は抑えられているので一般的なホラーゲームを想像すると肩透かしを喰らうかもしれませんが、そこはちゃんと心理的な恐怖が徐々に侵食していくようなストーリーになっています。

 

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クリア後にはミュージアムが解放され、今作の様々なアートや開発者による解説を聞くことが出来ます。

解説によれば当初はストーリーの仕掛けを極力明かさないという作りを意図的にしていたのだけど、ユーザーからの要望によりムービーなどを付け足して物語の背景をある程度明確にしたのだとか。

ここで紹介した『アモーング・ザ・スリーパ:エンハンスド・エディション』は完全版とでもいうべき内容ですが、プレイしていて不自然な点はなかったし、説明過多にも感じられなかったので、ストーリーのあるオフラインゲームでユーザーの意見を取り入れてこの統一感が出せているのは凄いと思います。

 

 

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