みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

クイズ☆正解は一年後 presents あつしの名探偵(Switch)

クイズ☆正解は一年後 presents あつしの名探偵
ハッピーミール
2023年12月31日
Nintendo Switch


本作は2013年からTBSテレビで毎年年末に放送されている『クイズ☆正解は一年後』の企画から生まれたファミコン風のアドベンチャーゲーム。番組では実際にファミコン実機で遊べるROMを10本作って全国の中古ゲームショップで販売。ゲームを買った人が約半年後の番組生放送までに何人クリアできるかというのがクイズになっていました(結果は0人)。番組の後半でこのゲームがSwitchで発売されることが告知されるという流れで、ダウンロード版の値段は1000円とお手頃価格。
以下、クリア後の感想。
※ネタバレなし

 

全体的なゲームデザイン、ビジュアルやBGMは1987年にナムコから発売されたファミコンソフト『さんまの名探偵』のオマージュ。当時のアドベンチャーゲーム(ADV)はいわゆる「総当たりコマンド方式」が一般的で、とにかくフラグ立てが面倒でなかなか先に進めない。携帯用ゲームなどで細々と生き残っていたジャンルではあるのですが、最近ではファミコンADVオマージュの『伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠』(2019年)がシリーズ化されるなど、一部のファンからの人気が再熱しています。本作はこのミステリー案内シリーズを手掛けたハッピーミール開発ということで、テレビの企画モノの水準をこえた手堅い作りになっています。

 

マップ画面は『さんまの名探偵』と比べると大分チープな印象を受けてしまう。とはいえ、雰囲気の再現度は高い。全体的に凄くがんばっている感じが伝わってきて好感触。メインのBGMも良い。

 

本作の説明文には「本ゲームは演出の都合上、高難度・不親切な作品となっております。理不尽かつ悪意のあるクリア条件などが多分に含まれますので、予めご理解の上、お楽しみください。(ご購入後のクレームには応じかねますのでご注意ください)」とあります。
ファミコン時代のADVに触れたことがない人にとっては、前出した総当たりによるフラグ立てだけでもかなり苦しむだろうと思われますが、それ以上にこの文章からは『たけしの挑戦状』(1986年)のような理不尽なシステムが採用されていることを仄めかしているようにも取ることができます。
で、実際に本作中にはそういった理不尽なものも含まれています。
ただ、その理不尽さはあくまでも番組の放送までにクリアされることを想定した上でのハードルであって、Switch版では誰でも攻略しやすいように公式の情報交換BBSが用意されているので安心。

 

終盤に突然『魔界村』(1985年)風のアクションゲームになって絶望しかけましたが、魔界村よりも少し難易度が低い絶妙なものになっていて助かりました。ただ、ラスボスの動きが速すぎて詰みかけたのですが、ゲームオーバーになった瞬間にAボタンを連打していたら倒したことになっていました。バグ?


本作の監修は『クイズ☆正解は一年後』の企画/演出/プロデューサーを担当している藤井健太郎氏。これまで放送された同番組ネタが随所に散りばめられていますが、今回(2023年)の放送だけ見ていれば十分楽しめるものになっていました。逆に、真犯人に関しては今回の放送を見ていないと意味が全く分かりませんが。

出演しているタレントも有名な方ばかりなのですが、会話の内容もキャラクターにしっかりと合っていて、そこもちゃんと『さんまの名探偵』に近付けているのが良い。
タレントをメインに据えたゲームはスマホアプリなどで探すと結構出ているのですが、本作のように関係者がきっちりと関わっていると質が格段に向上するのだと実感。野田ゲーしかり。
普通にゲームとして面白いんですよね。

企画モノと侮るなかれ、アドベンチャーゲームとして十分楽しめる良作でした。

 


©TBS ©Phoenixx
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2023年に遊んだ新作ゲームランキング

 1.スーパーマリオブラザーズ ワンダー(Switch)
 2.Starfield(Xbox Series S)
 3.Season: A Letter to the Future(PS4)
 4.パラノマサイト FILE23 本所七不思議(Switch)
 5.バイオハザード RE:4(PS4)
 6.The Cosmic Wheel Sisterhood(Switch)
 7.ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム(Switch)
 8.Alan Wake 2(Xbox Series S)
 9.A Space For The Unbound 心に咲く花(PS4)
10.Hi-Fi RUSH(Xbox Series S)


2023年の新作から個人的に面白いと思った順に並べてみましたが、今年に限っては様々なジャンルから驚くような傑作が生まれた年でもあるのでそこまで差はない感じがします。あと10本足したいくらい、とにかく面白いゲームが多かった!
以下、今年プレイした全てのゲームを記しておきます。


【Switch】
バイオハザード リベレーションズ2』『SD シン・仮面ライダー 乱舞』『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』『POST VOID』『LOOP8』『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』『地球防衛軍2 for Nintendo Switch』『俺の有休恋物語』『FINAL FANTASYピクセルリマスター』『Road 96: Mile 0』『通夜』『Christmas Tina ‐泡沫冬景 -』『Pokémon LEGENDS アルセウス』『OCTOPATH TRAVELER』『真砂楼』『Vampire Survivors』『ピクミン4』『DREDGE』『Unheard ―罪の代弁―』『つぐのひ』『なつもん!20世紀の夏休み』『イハナシの魔女』『ポケットモンスター バイオレット ゼロの秘宝』『スイカゲーム』『台北大空襲』『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』『ご当地鉄道 for Nintendo Switch !!』『The Cosmic Wheel Sisterhood』『恐怖の世界』『デイヴ・ザ・ダイバー』『桃太郎電鉄ワールド 〜地球は希望でまわってる!〜』『SUPER NO ONE LIVES UNDER THE LIGHTHOUSE』『SUPER STAY OUT OF THE HOUSE』『ghostpia シーズンワン』『あつしの名探偵』


PS4
バイオハザード RE:2』『バイオハザード RE:3』『バイオハザード RE:4』『龍が如く 維新! 極』『マフィア コンプリート・エディション』『ドラゴンボールZ KAKAROT』『Everybody's Gone to the Rapture -幸福な消失-』『殺しの館』『ブラッドウォッシュ』『The Good Life』『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』『A Space For The Unbound 心に咲く花』『Eternights』『Season: A Letter to the Future』

 

Xbox Series S】
『Starfield』『Hi-Fi RUSH』『Sea of Stars』『Forza Motorsport』『Thirsty Suitors』『龍が如く7外伝 名を消した男』『Dordogne』『Alan Wake 2』『Jusant』『COCOON

 

【PC】
『ファミレスを享受せよ』

 

スマホアプリ】
『Dear Esther』『探しものは、夏ですか。』『スクールガールストライカーズ2』『KABU BOY』『ドアを開ける短いゲーム』『忘れないで、おとなになっても。』


以上の全66本。毎年Switchの総プレイ時間が200時間程度だったのに対して、今年は800時間を超えていました。ゼルダだけで300時間なので、過去最高にSwitchで遊んだ年でした。私生活では去年の100倍忙しくてしんどかったのですが、そのせいで睡眠障害になり結果的にゲームいっぱいできたので良かった!…と思うようにしています。


2020年に起きたパンデミックによって、ゲームはもちろん、映像系のサブスクリプションが一般家庭に普及して久しいですが、今年はそれぞれの方向性の違いが明確になった年ではなかったかと思います。
Netflixは去年の11月から広告付きの新プランを開始し、それに追随した形でAmazon Prime Videoも来年1月から広告付きをデフォルトとしていく。同時的にYouTubeTVerなどの基本無料の映像コンテンツにもCM量の増加が見られました。
ユーザーは視聴環境を以前の状態に戻したいがために課金を促される。内容の良し悪しとは全く関係ない単なる水増しではあるけど、こうしたことはゲーム業界も散々やってきた事でもあるわけです。
ただ、ゲームの場合、特にオンラインゲームに関してはこうした依存性を利用した集金システムは、ギャンブルを引き合いにしてこれまで散々批判されてきたわけで、対策と修正を幾度となく繰り返してきた歴史があります。
近年では長時間プレイを前提としたMMOが廃れ、一回のプレイ時間を10~20分としたバトロワ系が台頭してきたことも記憶に新しいですが、最近では買い切りのオフラインゲームでも短時間のプレイによる満足度が重要視されています。

 

   スイカゲーム(Switch)

今年Switchで大流行した『スイカゲーム』には制限時間も対戦モードも存在しない。しかも超低価格。

同じくSwitchで爆売れした『Vampire Survivors』もスマホゲームのような中毒性と直感的なわかりやすさを兼ね備えていながら無課金。発売当初はストーリーすらなかった。
これら2つのゲームがストリーマーからカジュアル層に広がっていったというのも象徴的ですが、こういった時代の空気をもっと意図的かつ戦略的に打ち出していったのが任天堂でしょう。

 

   スーパーマリオブラザーズ ワンダー(Switch)

スーパーマリオブラザーズ ワンダー』では制限時間を排除。オンラインで知らない人と助け合うことでステージクリアの敷居を大幅に下げながらも、ゲーム体験としてはこれまでにない満足度が得られる。様々なアイデアが惜しみなく積め込まれ、プレイヤーは驚きと期待感の洪水にのまれながら、気が付いた時にはエンディングに辿り着いてしまっている。ピーチ姫をプレイキャラクターとしてデフォルトで選択できるのも、今年公開された映画の設定と繋げることでジェンダー的な問題を軽やかにクリア。しかも来年にはピーチが主役の新作も控えているという用意周到ぶり。
任天堂作品ではピクミンの新作もワンダーと同じコンセプトを別のアプローチで再構築することでカジュアル層からコアゲーマーまで満足させる作品に仕上がっていたわけで、任天堂の先見性の高さを改めて認識させられました。

 

   Starfield(Xbox Series S)

ベセスダのオープンワールドゲーム『Starfield』も、こうした現代的なゲーム環境を突き詰めた作品。宇宙というこれまでにない広大な世界を舞台としながらも、1周のプレイ時間は過去作と比べると大幅に短縮。しかも、そうしたゲームデザインそのものをナラティブに落とし込んでいたのには驚愕しました。

 

   Alan Wake 2(Xbox Series S)

一方、アドベンチャーゲームの世界では大分前からこうした試みはされていて、全世界で300万本を売り上げた『Life is Strange』(2015~2016年)は単話で数か月にわたり配信されたのちにパッケージ化されました。こうしたテレビドラマ的な試みをゲームに取り入れた先駆的な作品であるアランウェイクの続編が13年ぶりに発売された2023年に、『Life is Strange』を開発したDontnodがセリフの存在しないパズルゲーム『Jusant』により高度な環境ストーリーテリングを志向したのも感慨深い。

 

   龍が如く7外伝 名を消した男(Xbox Series S)

今年はゲームを売るための戦略にも大きな変化が見られました。というより、そうした戦略の成功例がたくさん生まれた年であったように思います。SEGA龍が如くシリーズは年々プレイ時間が膨大なものになっていくという特徴がありますが、スピンオフ作品の『龍が如く7外伝 名を消した男』は、シリーズファンに人気のサブクエストを簡略&省略し、派手なアクションとストーリーをメインにすることで短時間プレイによる高い満足度を目指した作品。価格も抑え、初日からXbox Game Passで遊べるようにもした。結果的には大成功で、開発者が想定する2倍の売り上げを記録。海外向けのプロモーションとしても大成功といえるでしょう。

 

   パラノマサイト FILE23 本所七不思議(Switch)

スクウェア・エニックスの『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』も低価格のダウンロード専用ゲームとして成功した好例。スクエニはこれまでもこうした試みは行ってきましたが、開発は新人や海外スタジオを使っていたため、どうしても質的に見劣りする部分がありました。パラノマサイトはスマホ部門にいたベテランデザイナーを起用することで見事に「安くて面白い」商品となり、更に配信初日から割引を実施。結果、口コミで爆発的にヒット。海外でも広く受け入れられるほどの知名度を得ました。スクエニのような国内で大きな影響力のある企業がこうしたチャレンジをすることには大きな意義があると思います。

 

映像系のサブスクが価格操作で戦争している間に、ゲームはその構造をいつの間にか現状に合わせて最適化し、しかも質がやたらと高いものを無数に、しかも多岐のジャンルにわたって生み出していたというのが今年の率直な感想です。去年までは主にストーリーを中心に各作品に注目してきましたが、そんな問題は普通に突破した上で「どうしたら面白くなるか」という遊びの原点を未来に据えた志の高い作品が多かった。
現在の各サブスクの方向性から考えるとゲーム系も同じ道を辿る可能性が高いので、今遊ぶならGame Passが充実しているXbox Seriesがお薦めです。
あと、「短時間で満足度の高い作品」はスマホゲーでも増えていますが、「満足度」の解釈が安易な感動系に流れる傾向が多く、魅力を感じられませんでした。やはり海外の良質インディーから過去のエロゲー移植まで網羅しているSwitchが現時点では最強でしょう。

 

 

© Nintendo

イカゲーム ®

© 2023 ZeniMax Media Inc. Starfield, Bethesda, Bethesda Game Studios, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved.

Alan Wake 2 is developed by Remedy Entertainment Plc and published by Epic Games Inc. Copyright © Remedy Entertainment Plc 2023. "Alan Wake" is a trademark of Remedy Entertainment Plc, registered in the United States and other countries. All rights reserved. 

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©2023 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

龍が如くスタジオ 全国体験会in横浜&『龍が如く8』体験版の感想

2023年12月10日に横浜の複合型体験エンターテインメントビル「アソビル」で開催された「龍が如くスタジオ 全国体験会in横浜」に行ってきました。
会場ではグッズの販売や最新作の体験プレイの他、製作総指揮の横山昌義氏をはじめ、声優の黒田崇矢氏と中谷一博氏と一緒に撮影ができるスペシャルフォトセッションなどが催されました。

 

入場料は無料で、入場者には数種類のレッドブルが配られていました。
キャラクターの等身大パネルと撮影できるコーナーもあり、とても良い雰囲気の会場。

 

客層の大半は20~30代の女性。これまでも東京ゲームショウ龍が如くブースには幾度となく足を運んでいましたが、多くは30代以上の男性ゲーマーという印象が強かったので、今回の客層との違いには驚かされました。会場にはキャラクターのコスプレをした人やゲームスタッフなどの姿が散見されましたが、全体的に非常に静かで和やかなムードに包まれていて、とても良いイベントだったと思います。

 

午前中に配布された整理券をもらうと最新作である『龍が如く8』を試遊できますが、これは今年11月9日に発売された『龍が如く7外伝 名を消した男』のクリア特典にもなっていて、私はそちらでプレイしました。

 

自作の舞台はハワイとなっており、体験版でもかなり広い範囲を探索できるようになっています。
プレイしてみた感想ですが、かなり期待できる作品であることは間違いないでしょう。
体験版では春日一番と桐生一馬という二人の主人公を操作できるのですが、前作のRPG要素を残しながらも桐生のバトルパートでは馴染みの深いアクション要素が見事に融合していて過去作のファンも納得の進化を遂げていました。

 

新しい要素として最も気になるのは、春日が「挨拶」をするアクションを行うことで、そこらを歩いている女性の好感度が上がりフレンドになれるというもの。詳細はまだわかりませんが、これはかなり面白くなりそうな予感。ハワイが舞台なので日本人以外のモブキャラ(当然ながら春日は英会話できない)が目立つこともあり、良い意味で日本のゲームっぽくないシミュレーションゲーム的な広がりが期待できそう。
物語は『龍が如く7外伝 名を消した男』のラストシーンから直結しているため、外伝のプレイは必須。
個人的に前作(7)がシリーズ最高傑作だと思っているので、最大限に期待を膨らませながら新作発売日を待ちたいと思います。

 

 

©SEGA

チェコゲームの世界Ⅱ Innovative Indies に行ってきました!

チェコゲームの世界Ⅱ Innovative Indies
チェコセンター東京
2023年9月25日(月)~10月31日(火)

 

渋谷区広尾にあるチェコ共和国大使館の地下一階で開催されている『チェコゲームの世界Ⅱ Innovative Indies』に行ってきました。タイトルに「Ⅱ」とある通り、「チェコゲームの世界」という展示は今回が2回目となっており、前回は2年前の2021年に開催され、大変好評だったとのこと。

 

さて、チェコのゲームと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。私自身、このブログで多くのゲームについて書いてきましたが、これまでで取り上げたものは『Mafia』のリメイク作品のみ。
上の写真に写っているのは『Machinarium』(2009年)というゲームの主人公であるJosefというロボットのキャラクター。絵本のようなアートの世界を探索し、数々の謎を解きながら仲間を救う物語が展開されます。難易度は決して低くはないものの、謎を解いた時のモーションが楽しく、一切のセリフを用いずに世界観と物語をプレイヤーにわからせてしまう説得力を持つ傑作。数々の賞を獲得し、近年のチェコ産ゲームで最も有名な作品のひとつです。もっと最近ではVRゲームとして有名な『Beat Saber』(2019年)も高い評価と売り上げを記録しました。
2021年の時点でチェコのゲームが映画産業の総売上高を超えているという事実からもわかる通り、チェコのゲームは今や全世界で遊ばれ、しかも高い評価を受けているものが多いんですね。

 

今回の展示では『Machinarium』を手掛けたインディスタジオ「Amanita Design」や、『Mafia』の「Ashborne Games」、夫婦でゲーム開発をしているスタジオ「Attu Games」、国際的な組織がプロジェクトに協力している「Charles Games」等のアートが鑑賞できるほか、クィアゲームを紹介するコーナーが設けられており、チェコセンター東京のホームページに書かれているよりも詳細な解説を読むことができました。

 

ほとんどすべての共産圏の国がそうだったように、チェコもまたATARI任天堂から始まる家庭用ゲーム機の歴史を辿ることができませんでした。80年代に入ると個人のプログラマーによるゲームが開発されていくのですが、その多くは匿名による政治批判などを含む内容でした。この、ある種の閉じた世界から始まったチェコのゲームはPCを中心として発展していきます。それが現在ここまで世界でメジャーとなる作品群を生み出しているというのは驚嘆に値します。ユーモラスでありながら、どこか暗さを感じさせるアートは独特の存在感を感じさせ、それぞれが内包するテーマからは痛烈な批評性を受け取ることができます。
展示場の入り口にはアートグループ「No Fun Collective」による「(クィア)ゲームを芸術として語るべき」という内容の文章が掲げられています。


ゲーム好きにとっては大変刺激的な展示会でした。
撮影を快諾してくださったチェコ大使館の職員さんに感謝。
また次回があれば行ってみたいと思います。

 

リンク
https://tokyo.czechcentres.cz/ja/program/czech-gameshow-vol-2-innovative-indies

 

STARFIELD(Xbox Series X/S)

STARFIELD
Bethesda Game Studios
2023年9月6日
Xbox Series X/S、Project xCloud、Microsoft Windows

 


本作『STARFIELD』は、Bethesda Game StudiosによるオープンワールドアクションRPG。現在はPCの他、Xbox Series X/SのGame Passでプレイすることができる。開発のベセスダは2020年にマイクロソフトに買収されたため、今後他社のゲーム機でプレイできるようになる可能性は低い。
※以下の文章は重要なネタバレを含むので注意。

 

 

宇宙に移住した人類の物語

本作の舞台は2330年の未来。人類が地球を捨てて各惑星に定住している世界なのだが、ここまで惑星間を自由に行き来できるのは「グラヴ・ジャンプ」と呼ばれる技術によるもの。グラヴ・ジャンプとは、簡単に言えばワープ装置で、宇宙船に搭載されたグラヴ・ドライブにエネルギーをチャージすることで発動する。これはゲームプレイにも大いに関係してくるもので、ほとんどすべてのマップ移動はグラヴ・ジャンプで行うため、星から星へ向かうのに複雑な飛行技術は必要ない。本作中の宇宙での移動が局所的な戦闘とコミュニケーションに留まるのは、他の宇宙を舞台としたアクションゲーム群との大きな違いといえるだろう。

 

ストーリーは主人公が採掘の仕事中に見つけた謎の金属片に端を発する。この「アーティファクト」と呼ばれる金属は触れた者に幻覚を見せるが、誰もが見れるというわけではない。そのため、主人公は「コンステレーション」と呼ばれる、富豪や学者によって結成された組織の研究チームにスカウトされ、彼らと共にアーティファクトに関する謎を解き明かしていくというのがメインのストーリーとなっている。

 

STARFIELDの世界は最初に宇宙へ進出した人類によって創設されたコロニー連合(UC)のほか、そこに属さない人々や複数の海賊、カルトなど、多様な背景を持つ人種によって構成されている。
これまでのBethesdaによる「The Elder Scrolls」と同様に、それぞれのコミュニティに無数のサブクエストが存在し、全てのサブクエストを消化しようとすると敵対関係にある組織の怒りを買い、立ち行かなくなってしまう事もある。関係性をある程度戻すには高額な料金を支払って犯罪歴を抹消する必要があるため、序盤では自分で設定したキャラクターの属性に沿ったロールプレイが求められる。

 

Bethesda製オープンワールドの進化形

名作と呼ばれるオープンワールドゲームは、ある種の異常な欲望によって支えられている。それは広大な箱庭を「そこにあるべきもの」で埋め尽くしたいという欲望だ。実物大のタイタニック号のレプリカを作って撮影されたジェームズ・キャメロン監督による『タイタニック』を例に挙げるまでもなく、大きな予算を割けるプロジェクトではしばしばこうした欲望が幅を利かせる。しかしこれがゲームとなると、セットそのものが作れたとしても、それらをどの程度プレイヤーに干渉させればリアリティを保てるかが重要になってくる。そのため、多くのオープンワールドゲームでは固定された主人公キャラが採用されている。そうすることで「主人公がしなさそうな行動」を省くことができるからだ。これまでのBethesdaが目指していたのは、そうしたオープンワールドの壁を突破し、プレイヤー自身による完全なロールプレイを実現しようとする試みだったはずだ。ゆえに、物量は膨大になり、メインストーリーは他のキャラクター依存の作品にあるような深みを出せなかった。プレイヤーが自ら主人公の設定を考え、それに従って広大な世界を生きるという体験こそは実現したが、それは古典的なRPGの拡張として一部の熱狂的なファンを獲得したものの、所謂「ベセスダゲー」と呼ばれる一癖も二癖もあるアクの強い作品群として認識されたのではないか。そして、こうしたプレイヤー自身による拡張性が顕著に現れたのが『The Elder Scrolls V: Skyrim』におけるMOD文化だろう。PC版『The Elder Scrolls V: Skyrim』は、プレイヤーによって様々な改良を加えられることにより作品が素材化したもっとも有名なオープンワールドゲームとなった。


本作『STARFIELD』は、そうしたパブリックイメージに依拠することなく、未知の領域へと果敢に踏み出した作品だ。プレイを開始して数十時間は「いつものベセスダゲー」という印象に留まるが、ストーリーを進めて行くと幾層にも重なる仕掛けに直面することになるだろう。ストーリーだけを見れば既存のSF作品の枠を出ることはない。近年のクリストファー・ノーラン監督によるSF映画作品群の方がよっぽど優れていると言える。しかし、プレイヤー自身が主人公となって旅するための、広大で途方もない物量によって構成された世界の軸としては、これまでのベセスダ作品よりも数倍太いものになっている。
本作では主人公がアーティファクトの謎の核心に迫っていく過程で「なぜ、この世界が今のような状態になっているか」が明らかになっていく。ここまでは『Horizon Zero Dawn』(ゲリラゲームズ、2017年)と同じだ。しかし本作はその先を行く。長時間のゲームプレイを通じて徐々にプレイヤーに納得させていったグラヴ・ジャンプというシステムを物語と結実させることによりゲーム内の宇宙がループすることに説得力が与えられる。所謂「ループもの」と呼ばれる物語の円環構造自体も特に新しいものではない。しかし重要なのは本作が自由度の高いオープンワールドであるという点だ。
近年では『Cyberpunk 2077』(CD PROJEKT RED、2020年)のように、これまでのオープンワールドと同等の密度を保ちながら複数のルートを内包し、ストーリークリアまでの時間を短縮した作品が多くのユーザーに歓迎された。
短い時間で濃密な体験が出来るが、ゲームを気に入れば周回して少し違う物語も体験できる。それは、これまでのように広大な世界を100時間かけてゆっくりと味わうオープンワールドの定石を崩してはいるが、あらゆるコンテンツに気軽にコミットできる現代においては当然の変化だと言えるだろう。
本作『STARFIELD』は、『Cyberpunk 2077』で試行されたオープンワールドのプレイの変化をストーリーに完全に取り入れた作品だ。
これまでのベセスダ作品であるならば、なるべく1周目で多くのクエストをこなし、ある程度納得した状態でクリアしたいという欲望に駆られていたはずだ。2周目で別の人生を体験しようと思えば引継ぎ要素もノイズになってしまう。そうすると、序盤こそ自分の設定したキャラクターの生き方を守るも、レベル上げや金策のために適当なサブクエストをこなす羽目になり、その結果キャラクターの個性は必然的に薄まってしまう。

 

本作においても当然そういった事態に陥ることになるが、それはあくまでも1周目のみに留まる。1周目のエンディングで主人公は時空を超える旅人となり、2周目からは「周回する者」としての人生が始まる。会話のスキップもこれまでのようにコントローラーのボタンを長押しするわけではなく、「俺もう2週目だから」とNPCたちに宣言することで行われる。ある種メタ的な設定ではあるが、これは別に世界を救う為だけではなく、この広大な世界を何度も何度も味わい尽くすための設定という側面のほうが強いだろう。オープンワールドにおけるプレイ時間の長さや、周回における引継ぎ要素の枷を全てストーリーに取り込むことにより、プレイヤーがこれまで想像すらしなかった新しい「自由度」の概念が加わったのだ。
こんなことは、もちろん膨大な時間と金がかかるであろうし、多くのオープンワールド大作を世に送り出してきた経験がなければ出てこない発想だろう。
なんというか、スケールの大きさがバカすぎる。
しかし、先ほども書いたように、優れたオープンワールドとは「ある種の異常な欲望によって支えられている」のだ。その欲望を実現したものだけが新しい世界に踏み入ることができるという意味で、本作の価値は既に決定しているだろう。


おわりに

現在の私のプレイ時間は100時間程で、まだ2周しかクリアしていない。普通のゲームならば十分すぎるが、本作に関してはまだほとんどのゲーム要素を理解しきれていないと感じる。

本作はチュートリアルが充実しておらず、ゲーム全体が説明不足であることは否めない。それに加え、Xboxでプレイしたかぎりではバグも多く、サブクエストが進行不能になるなど、とても快適とは言えない状態であることもプレイ意欲を削ぐネガティブな要素として見過ごせない。
オープンワールドゲームとしては久々に「どこへ行って・何をすればよいかわからない」という状態に陥った作品でもあった。ベセスダの過去作と比較しても、戦闘や探索について賛否が分かれる要素も多く見られた。
しかし、それらを払拭するほどのチャレンジとアイデアの詰まった作品であるし、多くの可能性を示唆しながらも、そこに明確なビジョンを見せてくれたことに対する感動があった。
本作がオープンワールドゲームのマスターピースになれるかどうかは今後の対応次第ではあるが、オープンワールドの歴史を語る上での重要作品として絶対に外せない作品であることは間違いないだろう。

 

 


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ドラゴンボールZ カカロット 追加シナリオ:波乱の天下一武道会(PS4)

ドラゴンボールZ カカロット 追加シナリオ:波乱の天下一武道会
バンダイナムコエンターテインメント
8月17日
Nintendo SwitchPlayStation 5、PlayStation 4Xbox OneXbox Series X/S

 

本作は2020年に発売されたゲーム『ドラゴンボールZ カカロット』の追加シナリオの第5弾。

 

原作ではジャンプコミックス14巻辺りから第23回天下一武道会の終わりまで。その後、サイヤ人編から『ドラゴンボールZ カカロット』が始まるので、ちょうど本編の前日談としての役割を果たしています。本編中やクリア後にサブクエストとしてオリジナルのストーリーが6つ用意されているのも嬉しい。

 

マップは主に本編クリア後に解放され、「孫悟空の家」を含む5か所のエリアを探索出来ます。

 

ドラゴンボールZ カカロット』というゲームが、原作とアニメに忠実な傑作であることは本編のレビューで書きましたが、それは追加シナリオも同様で、今回も「波乱の天下一武道会」と銘打ってはいるものの、その前のピッコロ大魔王戦のクライマックスシーンから始まるという手の込みよう。
このシーンのためだけに子供時代の悟空を操作してピッコロ大魔王と戦えるのは嬉しい。

 

予選におけるチャパ王のくだりや、本試合のいくつかの戦闘こそ省かれているものの、天津飯の四身の拳や気功法、マジュニアの超巨身術などの技が戦闘で再現されているほか、数多くの名シーンが丁寧に再現されています。

 

武道会の初戦は天津飯VS桃白白(タオパイパイ)ですが、この試合限定で天津飯を操作し、過去のストーリーを追体験することで鶴仙流因縁の対決を盛り上げてくれます。

操作するキャラクターの能力は本編から受け継がれず、引継ぎはコミュニティボードのみ。ただ、ソウルエンブレムは本シナリオオリジナルのものが多く用意されているので集めるのが楽しい。

 

原作のその後を描くサブクエストでは、武道会の優勝パーティーやチチとの新居探しに加え、本編でもおなじみのドラゴンボール集めを体験できます。内容自体は簡単なお使い程度のものですが、本編へのツナギとしては十分な役割を果たしています。野良の戦闘もチャレンジ系のサブクエスト扱いで、普通に移動する分にはほぼエンカウントしない優しい仕様。

 

料理に関してはかなり変更されていて、素材を食事券と交換してから、その食事券を飲食店で使用するというシステム。なかなかわかり辛いこともあり、わざわざこのシステムを説明するためだけのサブクエストが用意されています。

 

DBZのゲームなのに、アニメ『ドラゴンボールZ』以前のエピソードを引っ張ってきたのは意外でしたが、ファンにとっては嬉しい誤算であり、相変わらずの丁寧な作りに脱帽。ドラゴンボールZの世界を深く掘り下げるという意味では最高の追加エピソードでした。

 


©バードスタジオ/集英社東映アニメーション
©Bandai Namco Entertainment Inc.

Eternights(PS4)

Eternights
Studio Sai
2023年9月12日
PlayStation 5、PlayStation 4Microsoft Windows


本作『Eternights』はシアトルを拠点とするStudio Saiによるインディゲーム。プロデューサーのJae Hyun Yoo氏は元Apple社員で、ディズニーの映画『アナと雪の女王』や数々のゲーム制作にアニメーターとして携わっている。

以下、ユナルートクリア後の感想。
※ネタバレなし

 

本作は恋愛シミュレーションRPGを掛け合わせた異色作。一見すると日本のゲームのように思えるのはJae Hyun Yoo氏が本作を制作するにあたって強い影響を受けたのがペルソナシリーズやDevil May Cry新海誠作品であることを踏まえると納得できるだろう。


実際にプレイしてみると、"まんまペルソナ"といった印象を受ける。なので、本作を説明するにはペルソナとの相違点を挙げるのが手っ取り早い。

 

本作は日本語吹き替えに有名声優を多く起用している。主人公の高校生男子が友人のススメで出会い系サイトに登録するところから物語が始まるのだが、そこで繋がった女性とのSNSでのやり取りもフルボイス。その他にも、3Dマップの移動やアニメーションなど、メジャー作品に引けを取らない演出が続くが、キャラクター造形のチープさや頻繁なロードが挟まれることでぶつ切りな印象を受ける。ちなみにボイスは中盤から省かれることが増えていくので息切れ感は否めない。

 

カレンダーによる時間経過表現もペルソナそのままだが、ペルソナが1年間のスケジュールであるのに対して、本作は2ヵ月間しかないので物足りなさを感じてしまった。
とはいえ、インディゲームならではのアイデアで、作品をコンパクトでわかりやすくまとめることには成功している。ペルソナシリーズでは仲間の他にも多くの人とコミュニケーションを取ることで各能力を上げられるシステムを採用しているが、本作では無人の街を列車で移動しながら仲間を増やし、限られたキャラクターとの関係を恋愛シミュレーション的な演出に凝縮することでオリジナリティを生み出している。
…と言いたいところだが、2か月という短い期間ではイベントの数が限られてしまい、恋愛要素だけ取ってもペルソナの方が充実していると言わざるを得ないのが残念。

 

本作のストーリーは突如現れた巨大な壁によって荒廃してしまった都市を舞台に、ゾンビ化した人々と戦いながら列車に乗って壁の破壊を目指すというものになっている。仲間はそれぞれ特殊な能力を持っており、彼らとの絆を深めることでバトル時における様々な恩恵を受けられる。

 

5人の仲間のうち3人が女性キャラクターで、彼女たちの好感度を上げることで恋愛関係に発展し、最終的に誰と付き合うかでエンディングが分岐する。

 

タイトルの「Eternights」とは各国で研究されている不老不死の新薬の名称で、それがこの世界の現状とどのような関わりを持つのかというのがストーリーの肝なのだが、最終的には新海誠作品のような「君と僕の世界」に着地する。ストーリーは主人公とヒロインにとっての「抗うべき運命」としての作用しかないので、そこまで深堀りもされないし、実際にプレイしていても大して気にならない。
会話の内容はギャルゲーっぽい砕けたものが多く、選択肢も明らかにふざけているとしか思えないものが散見される。
では本作がネタとして作られたバカゲーなのかといえば、要所要所でシリアスかつ詩的な演出が光り、捉えようのない独自性を生んでいるのも確かだ。


科学に強い「シア」という女性とのイベントで、ネコ語の翻訳機を作るというものがあるのだが、いくら探しても「ネコが見つからなかったので機械が正常に機能しているのかわからなかった」という結論で終わる。このイベントは本作の持つ例えようのない「素敵な脱力感」を端的に表しているように思う。

 

ゲームの雰囲気は暗く、街の様子はペルソナよりも真女神転生の方に近い。BGMがほとんど環境音的なものしかないのが寂しい。アイドルとして活動していたヒロイン「ユナ」が自分の歌を歌えるようにギターを調達するイベントがあり、その後皆で焚火を囲んでユナの歌を聴く場面があるのだが、なぜかほぼ無音。にもかかわらず、道中の何でもないバトルの途中で誰が歌っているかわからない歌がフル尺で流れるのも謎過ぎる。

 

バトルはそこそこの難易度で、大技を決めるにはQTE的な素早いボタン操作が毎回求められ、シールド付きの敵には属性による特殊攻撃を数回当てる必要がある。単調ではあるが、特殊攻撃は女性ヒロインの唯一の見せ場でもあるので、難易度を落として演出を楽しむ分には問題ない。

 

マップ上の謎解きの一部や、列車内のトレーニングでプレイすることになるミニゲームは説明不足で理不尽に感じた。

 

ストーリーの中盤でバイクを操作して敵を追跡するミニゲームがあるのだが、ほんの少しの出っ張りにタイヤが触れるだけで死ぬスペランカー並みのバイクの脆弱さには頭を抱えた。こういうものが一個あるだけで2周目への意欲がごっそり削られるのでやめてほしい。


総評

本作を海外のアーティストによる日本のコンテンツの換骨奪胎的な作品だと期待してはいけない。しかし、ペルソナと新海誠作品の融合がコンセプトの作品だと言われれば、確かにそうだとしか言いようのないものにはなっている。インディゲームのクオリティを越えているような印象を与えつつも所々に顔を出すチープさが、やはりシリアスなストーリーの所々に顔を出すギャルゲー要素と相まって、かなり奇妙で捉えどころのない不思議な脱力感を醸し出している。この脱力感の要因は製作費に依存したものなので、今後は是非メジャー作品並の予算で作られた続編をプレイしてみたい。
序盤こそ悪い部分が目立ち、不安だらけではあったが、慣れてくるとその奇妙さに惹かれる部分も多く、最終的には十分楽しめるものになっていた。2周目ではほとんどのステータスを引き継げるので、恋愛シミュレーション部分に特化したプレイが出来る。このゲームの真骨頂は2周目以降だろうとは思うが、理不尽なミニゲームが足を引っ張っているのが残念。
変なゲームが好きな人には十分勧められる作品ではあるが、最近のコンシューマでは正統派の恋愛シミュレーションゲームのほうが圧倒的に少ないので、多少食傷気味ではある。

 

 

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