みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

チェコゲームの世界Ⅱ Innovative Indies に行ってきました!

チェコゲームの世界Ⅱ Innovative Indies
チェコセンター東京
2023年9月25日(月)~10月31日(火)

 

渋谷区広尾にあるチェコ共和国大使館の地下一階で開催されている『チェコゲームの世界Ⅱ Innovative Indies』に行ってきました。タイトルに「Ⅱ」とある通り、「チェコゲームの世界」という展示は今回が2回目となっており、前回は2年前の2021年に開催され、大変好評だったとのこと。

 

さて、チェコのゲームと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。私自身、このブログで多くのゲームについて書いてきましたが、これまでで取り上げたものは『Mafia』のリメイク作品のみ。
上の写真に写っているのは『Machinarium』(2009年)というゲームの主人公であるJosefというロボットのキャラクター。絵本のようなアートの世界を探索し、数々の謎を解きながら仲間を救う物語が展開されます。難易度は決して低くはないものの、謎を解いた時のモーションが楽しく、一切のセリフを用いずに世界観と物語をプレイヤーにわからせてしまう説得力を持つ傑作。数々の賞を獲得し、近年のチェコ産ゲームで最も有名な作品のひとつです。もっと最近ではVRゲームとして有名な『Beat Saber』(2019年)も高い評価と売り上げを記録しました。
2021年の時点でチェコのゲームが映画産業の総売上高を超えているという事実からもわかる通り、チェコのゲームは今や全世界で遊ばれ、しかも高い評価を受けているものが多いんですね。

 

今回の展示では『Machinarium』を手掛けたインディスタジオ「Amanita Design」や、『Mafia』の「Ashborne Games」、夫婦でゲーム開発をしているスタジオ「Attu Games」、国際的な組織がプロジェクトに協力している「Charles Games」等のアートが鑑賞できるほか、クィアゲームを紹介するコーナーが設けられており、チェコセンター東京のホームページに書かれているよりも詳細な解説を読むことができました。

 

ほとんどすべての共産圏の国がそうだったように、チェコもまたATARI任天堂から始まる家庭用ゲーム機の歴史を辿ることができませんでした。80年代に入ると個人のプログラマーによるゲームが開発されていくのですが、その多くは匿名による政治批判などを含む内容でした。この、ある種の閉じた世界から始まったチェコのゲームはPCを中心として発展していきます。それが現在ここまで世界でメジャーとなる作品群を生み出しているというのは驚嘆に値します。ユーモラスでありながら、どこか暗さを感じさせるアートは独特の存在感を感じさせ、それぞれが内包するテーマからは痛烈な批評性を受け取ることができます。
展示場の入り口にはアートグループ「No Fun Collective」による「(クィア)ゲームを芸術として語るべき」という内容の文章が掲げられています。


ゲーム好きにとっては大変刺激的な展示会でした。
撮影を快諾してくださったチェコ大使館の職員さんに感謝。
また次回があれば行ってみたいと思います。

 

リンク
https://tokyo.czechcentres.cz/ja/program/czech-gameshow-vol-2-innovative-indies