みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

Ancestors: The Humankind Odyssey(PS4)

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Ancestors: The Humankind Odyssey
Panache Digital Games
2019年12月06日
PlayStation 4Xbox OneMicrosoft

 

PS4版『Ancestors: The Humankind Odyssey』クリア後の感想です。

PCでの初リリース日は2019年8月27日。

今作のディレクターを務めたパトリス・デジーレ氏はフランスのゲーム会社UBIで『アサシンクリード』を立ち上げた中心メンバーの一人(ディレクター)でしたが、新規IPを巡る裁判沙汰に巻き込まれ10年間新作を発表できない状態になっていたようです。

そんなパトリス・デジーレ氏が仲間たちと新しく立ち上げた会社で作り上げた一作目がこの『Ancestors: The Humankind Odyssey』。

 

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ゲームは1千万年前のアフリカから始まります。

この時代に生きる我々の先祖の猿を操作して史実よりも早く進化させることが目的。

世代を超えた冒険の始まりです。

 

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【幸運をーー私たちはあまり手を貸しません。】

この言葉通り、チュートリアルモードこそ選べるものの、具体的に何をどうしたらよいか全く示されない状態でゲームを進めなければなりません。

正直、最初の数時間は何が面白いのか全く分かりませんでした。

 

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木の実や葉っぱを食べ、水を飲みつつ探索。

行動によって何かが達成されたっぽい表示が出ますが、それで出来る事が劇的に変化することもなく、1千万年前の猿なので言葉もなければ火をおこしたり畑を耕すようなことももちろん出来ないし、大まかなストーリーすらない。

 

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マカイロドゥスというサーベルタイガーに襲われ、戦い方が分からず一方的に殺されて終わり。

2回ほどコントローラーを投げました。

ただ、こんなわけないよな、こんなに面白くないゲームがあるわけがないと頭を冷やして再チャレンジ。

 

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相変わらず敵の倒し方は分からないけど、とりあえず探索を頑張っているうちに最初は複雑に思えたニューロンというシステムがJRPGでいうところのスキルツリーなのだと理解し、それが猿の行動によって開かれていくという無駄のない仕様に感動しつつ拠点を木の枝で作った柵で囲ったり、ちょっとの距離だけど二足歩行まで出来るようになり、思い切って【進化】させることに!

 

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おおお!自分の功績が反映され、一気に数十万年の時を越えて進化した!すごい!

ここでようやくこのゲームの神髄を少し理解しました。

プレイヤーは本当に何のヒントもないままジャングルに放り出されるのですが、そこでの発見が猿の好奇心とリンクして進化を促す。つまり、このゲームを放り出した時の私はバカ猿だったということです。ゲーム内の様々なものに触れ、組み合わせたり食べたりなどのインタラクションがそのまま猿の脳の活性化を促し、それぞれのプレイヤーが自由な道を模索しながら人類誕生という目的に向かうという壮大かつ本作でしか体験できない固有のドラマがあったのです。

 

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しかし、進化すると居住区が勝手に知らない場所に移動してしまい、そこは奴ら(マカイロドゥス)の通り道だったため、一族は皆殺し。傷を負った私は一人森の中を彷徨いましたが、傷を治す方法が分からず変なキノコで腹を下して死亡。

こうして私の氏族の歴史は幕を閉じました。

 

おわり

 

 

 

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おわらんよ!

2度の絶滅を乗り越え、ついに覚醒した私は序盤から戦闘モード。

傷を治す植物を探すことで知識が発達し、憎っくきマカイロドゥスの声を聞き分けるための聴覚が発達。武器になりそうな道具を探し求めて石や枝などあらゆる組み合わせを試すうちに建築の達人となり、蛇やイノシシなどで戦闘の練習を重ねることで動物の動きが止まって見えるように!

何としても生き延びて次の世代にバトンを回さなければならない…その想いが行動となり、その全てがゲームに反映されて私の一族が人類に近付いて行くという高揚感。

怯えながら安全な居住区に閉じこもっていれば永遠に猿のまま。未開の地を恐怖を乗り越え探索し、何でも食べ、調べ尽くす。

全ての行動が無駄にならず、あらゆる行動を試してみようというプレイヤーの好奇心が猿を進化させるシステム…完璧じゃないか!!!

 

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ジャングルでサバイバルスキルを磨いた後は好奇心の赴くままに世界中を旅します。

ジャングルを抜けるとサバンナ、そして海へ。

両手に一つずつしか物が持てない為、常に取捨選択を迫られながら過酷な環境の中を進み、適応していきます。

 

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殺るときも殺られるときも世界は残酷。

操作している猿が死ぬと、とても悲しい。

世代交代で年老いたり寿命で死んでいくのも悲しい。

でも、おじいちゃんおばあちゃん猿の経験は確実に子供や孫に引き継がれ、先人の遺伝子を宿して更なる道を切り開いていくプレイ感は唯一無二。

 

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そして人類へ。

プレイ時間50時間。

最初のバカ猿だった自分が信じられないくらい夢中で遊びました。

 

この先の人類の歴史もまた壮絶なものなので続編が待ち遠しい!!!

 

 

総評

今まで様々なオープンワールドゲームを遊んできましたが、これほどシンプルかつダイレクトにテーマが伝わってくる作品は他になく、システムとあらゆるインタラクションが自然な形で融合していることに感動しました。

サンドボックスやシミュレーションの要素も取り入れながら、操作する猿とプレイヤーがリンクすることによりRPG的な冒険のワクワク感もあり、特定のジャンルでは括れない幅を持っています。

ボスを倒すなどの具体的なクリア概念がなく、あらゆる行動を試して人類に進化するのが目標なので後半が少し作業的になったりもしますが、そのシステムが同時に本作の良さにも繋がっているのでバランスは難しいとは思います。

突然人類になるのではなくて、徐々になっていく過程が面白いので最終的に人類に進化した時には達成感よりも寂しさが残りました。

パトリス・デジーレ氏によれば3部作を想定しているとのことなので今後の展開に期待大です。

なかなかに敷居の高いゲームですが、プレイヤーの理解がそのまま猿の進化に直結するので興味を持たれた方は是非根気よくプレイしてみて下さい。

とても変わっていて、最高に面白いゲームです!

 

 

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