ファイナルファンタジーXIV スターターパック
スクウェア・エニックス
2020年5月22日
PlayStation 4
本作は2020年5月に限定的に無料配布(通常の本体価格は税込2420円)された、FF14の序盤である「新生エオルゼア」までが遊べるスターターパック。
ゲーム自体は2013年から現在まで続く大作MMO。
今回はストーリーを中心に30時間ほど遊んだ感想です。
FFらしさ全開の世界観
ファイナルファンタジーと言えばナンバリングによって様々な世界観を描いてきてはいるものの、全作遊んだファンの中には1~5、9、12に見られる所謂「FF的なファンタジー世界」のイメージを思い浮かべることは容易いでしょう。
FF14は1作目から続くFF的ファンタジー世界と地続きであることが特徴で、その徹底ぶりに感動。
「FFのMMO」と聞いて多くのファンが思い浮かべるであろう世界が確かに存在しています(FFⅪも同様)。
とにかくこの世界でたくさんの人達と同じ空気を吸っているというだけで最高。
クリスタルの存在も地続きの世界観を補完するための大切な設定のひとつ。
他にもシドやチョコボ、これまでのナンバリングで重要な役割を担ってきたジョブなどが登場し、FF好きとしては嬉しい限り。
私は無料配布から2か月ほど遅れてプレイしたので街に人があまりいなかったのですが、マップの作り込みや意味のあるNPCの配置により寂しさを感じずに序盤を楽しむことが出来ました。
まずはベタなFF的世界観にどっぷりと浸かることで様々なルールをゆっくり覚えられるのは有難かったです。
複雑に見えるユーザーインターフェイス
この写真はよくある適当なクエストをやっているだけなんですけど、もうこれ見ただけで「めんどくさそう」と思いますよね。
昔からFF14は配信向きではないという声が多かった理由がこのユーザーインターフェイス(UI)問題です。
ただこれ、実際プレイしてみると全然複雑ではなくて。
ただ単にボタンに割り当てられた技やアイテム、仕草が常に表示されているだけ。
いちいちメニューを開く手間が省けて便利です。他にも敵の体力や技名が可視化されていて、便利さがうるさいだけなんですよ。しかもこのゲームの場合はその「うるささ」の情報によってプレイヤーの手間が省けているので良い事しかない。
あと、PTプレイの場合はカメラをかなり上まで引くことが出来るので知らない人からすると「小さいキャラがごちゃごちゃと何かやっている」ようにしか見えないのでニコニコ生放送のような画面解像度の低いメディアには不向きでした。
このUIを見てプレイをためらっている人はもったいないです。実際やってみると全然印象が変わります!
インスタンスダンジョン
インスタンスダンジョン(ID)は4人のPTを組んでダンジョンを攻略していくというもの。お目当てのアイテムを取りに潜ることが出来ますが、ストーリーを普通に進めていく上でも避けて通れません。
FF14には「レベルシンク」というシステムがあり、PTを組む際に全員のレベルを同等に合わせることで皆が同じ条件で戦闘に挑むことが出来ます。
もちろん装備やプレイヤースキル(PS)による格差は出てきますが、序盤のストーリーを進めていく上では自分の役割をこなすだけで十分。
私は剣術士というジョブを最初に選んだのですが、これは守備力に特化した「タンク」という役割で、他のプレイヤーから敵の攻撃を逸らす為に先制攻撃で「ヘイト」を集め、維持していかなければなりません。
守備力を強化しながら敵を味方から遠ざける行動が地味だからか、あまりやりたがる人が多くないようで、野良でPTを組む(オートマッチング)までの時間が短く、サクサクと進めることが出来ました。
ただ、先制攻撃をしなくてはならないので仕掛けが施された迷路のようなダンジョンを初見で先頭を走らなければならず、慣れないうちは迷子になることもしばしば。
「初心者です!」「ここには初めてきました!」などの定型文を常に用意。
10回以上潜った感じ、みなさん優しくてアドバイスもくれるのですが、ほとんどが専門用語で調べる時間もなくモヤモヤしながらプレイしていました。
FF14の戦闘はぱっと見難しく見えますが、全員の役割がはっきりしているので行動にすれ違いが起きにくく、長いチャットを打たなくても意思の疎通がしやすいです。
ストーリー
今回プレイした「新生エオルゼア」ではレベル50が限界ですが、普通にクエストをこなしているだけで42まで上がり、サクサクとストーリーを進められました。
まだ序盤なので広大な世界の各地を回り、色んな人を助けている内にいくつかの中から参加したい同盟を選んで活動していく所まで進めました。
「蛮神タイタン」というボスまで倒したので8割くらい進んだ感じです。
ストーリーの内容は沢山のキャラクター同士がチュートリアル的な事を織り交ぜながら世界観を説明してくる感じで、続きが見たくなるような魅力には欠けます。
一見ダークファンタジー的なビジュアルを持つFF14ですが、謎キャラを引っ張ったり馴れ合いみたいな時間が多くを占めるので「言っていることは複雑そうだけど薄い」という印象。
この先どんどん面白くなってくるのかもしれませんが、つかみとしては弱い。
ゲーム的な間口が広いわりに物語の風呂敷だけはやたらと広げてくるけど全然ワクワクしない。単純に見える話から広げていった方が良い気がします。特にMMOはストーリー以外の作業に大半の時間を割くわけで、序盤に複雑な設定や専門用語を詰め込まれても覚えられる気がしません。
まとめ
FF14には8人でPTを組む「レイド」という戦闘が売りのひとつなのですが、そこまで行けなかったのは残念。行けたとしても装備などを整えるのに時間がかかるので1か月のプレイではなかなか難しいでしょう。
とはいえ、世界観や戦闘などは現在プレイしても十分面白く、また機会があればやってみたいし、ハウジングや釣りなどの生活要素もなかなか作り込まれていて楽しそう。
ただ、ストーリーに惹かれる部分がなく、再開する時に思い出せる自信がありません。ほぼ、何一つ覚えてないから。
映画『光のお父さん』でもストーリーに関するエピソードがあまり見受けられなかったので、そこらへんはあまり重要でもないのかな?
今回プレイしてみて、FF14の人気の秘密の片鱗くらいは垣間見えた気がします。まだまだ書ききれないくらい良いところはあったのですが、全く遊びきれなかったので近い内にまたログインしてみたいと思います。
© 2010 - 2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.
LOGO ILLUSTRATION: © 2010, 2014, 2016, 2018 YOSHITAKA AMANO