みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

Japanese Rural Life Adventure – にほんの田舎ぐらし –(Apple Arcade)

Japanese Rural Life Adventure – にほんの田舎ぐらし –
GAME START LLC
2023年9月6日
Apple Arcade


本作『Japanese Rural Life Adventure – にほんの田舎ぐらし –』は、日本のゲームスタジオ「GAME START LLC」によるインディゲーム。製作は基本、音楽以外はGAME START LLCさんが一人で行っているようです。
以下、30時間プレイの感想です。

 

AppStoreの紹介文に「日本の田舎暮らし体験スローライフゲーム」とあるように、日本を舞台とした「どうぶつの森」ライクなゲームとなっています。
ピクセルによって丁寧に描かれたなビジュアルは『スターデューバレー』を想起させますが、どちらかというと牧場系よりどうぶつの森に近い作りだと感じました。
今後コンシューマ向けの展開も視野に入れているようですが、スマホで遊ぶのにちょうど良い絶妙なバランスになっています。他のスローライフ系との違いとしてボリュームの少なさが挙げられますが、それが決して満足度を下げることなく面白さを維持しているのが凄い。

 

基本的には都会からやってきた若者が田舎の古い家を片付けて一人暮らしを始めるという展開なのですが、近所の住民とそこまで距離感を詰めなくて良いのは日本的と言えるかもしれません。マップは広く、今後も拡張していく感じで住民も10人以上登場します。村長の頼みを聞いて村を復興させていくと住民が増えて、学校や駄菓子屋などの施設が充実していく。どうして新参者が自腹で村を復興せにゃならんのだとは思いましたが、ゲーム自体が単純に楽しい。

 

ゲーム序盤、空き家の雑草を刈り、床を拭いて障子を貼り替える過程がチュートリアルになっていて、これをクリアするだけでこのゲームのほぼ全てを把握することができます。
生活に必要なアイテムを売ってくれるおばあさんが午前中、プレイヤーのアイテムを買い取ってくれるおじさんが午後と、それぞれが主人公の家の前まで来てくれるのも親切。ただ、おばあさんが売ってくれるものが全てではなく、時には少し遠出したところにあるお店にしか売ってないものもあり、このへんのバランスも絶妙。

 

お金を稼ぎたいだけなら自分の家の周りでひたすら釣りや虫捕りをしていればいいのかなと思っていたら、魚も虫も一匹だけでは買い取ってくれず、他の季節や場所でしか取れない種類も用意しなければならないのが面倒。しかし、この面倒さがゲームに飽きさせないシステムとしてしっかりと機能しているのでストレスを感じさせない。
この手のゲームではよく中盤から様々な施設を拡張していくことで金策が楽になりすぎてしまい、急速に飽きを招いてしまうことがありますが、本作ではアイテムの総量と金策との均衡が取れていて、全てのイベントを終えた後でもほとんどお金が余りませんでした。
畑の作物の育つスピードがずっと一定だったり、他のゲームと比べると不親切に感じる部分が多いのですが、本作をプレイすると他のゲームが過保護に感じられるほど。ゲームからの命令が少ない分、何をしたらよいのかわからなくなることがありますが、それが逆に「これをこうすればよかったのか!」という発見の喜びに繋がる。

本作は最初からその拡張性の限界をある程度見せることにより、多くのスローライフ系作品にある「終わりが見えない」というイメージの払拭に成功しているように思います。
これはほぼ同時期に発売された『スピリットティー』(2023年11月)にも似た傾向が見られました。

 

本作では釣りや虫捕り、畑やペット育成の他、アイテムのクラフトや写真撮影などの様々な遊びが用意されていますが、中でも料理にかなり力が入っているのが良かったです。材料を捏ねたり握ったりするのもタッチパネルの特性を十二分に生かしていて懐かしくも温かい。中盤で裏山が解放されても目当ての素材が全然見つからないのですが、全体的な作業量と相対させるとマップの広さが本当に絶妙で、実際のサイズよりも広く感じられます。

 

本作では1ヵ月が2日で経過するようになっています。なので年末のイベントに参加する場合は12月の2日目に行かなければなりません。最初の年はこれに慣れなくてほとんどのイベントを見過ごしてしまいましたが、慣れてくると逆にイベントを準備するための作業量と必要経費に圧倒され、夏祭りの準備を半年前からすることになったり。なので、イベントを無事に終えた時の喜びはひとしおです。

 

本作は良い意味で日本的であり、インディらしさを感じさせる良作。出来ることが限定されているぶん、攻略などを見ずに手探りでプレイする楽しさがありました。30時間かけて村の復興は達成したものの、タヌキを一回しか見てないし撮影も出来てない!他にもまだまだ未知の魚や虫が残っているので、アップデートが来たらまた遊びたいと思います。

 

 

 

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