光るだけしかない機械
月刊湿地帯/おいし水
2026年1月17日
itch.io
本作『光るだけしかない機械』は、月刊湿地帯/おいし水によるインディゲーム。現時点ではPCで無料でプレイすることができる。以下のリンクからダウンロードをクリックするとインストールして遊べる(クリックした先に表示されるリンクは踏まないように)。
ネタバレは伏せるが、ゲームはただテキストを読むだけのシンプルなもので、プレイヤーは画面をクリックして機械を光らせることしかできない。
基本的には文章を読み進めていくだけなのに、読書とは異なる体験が得られるのが本作の凄味。
限定的なインタラクトだけで最大の効果を発揮するという意味では、昨年このブログでも取り上げた『Only Dance!』に近いものを感じるが、これらの作品にはプレイヤーの善性を疑わない(バッドエンドがない)という共通点がある。
なので必然的に物語は分岐することなく、短時間でクリアできる。
しかし、だからこそ作品のテーマをプレイヤーに直線的に伝え、没入させる力は強い。
10数年前、スマホが普及し始めたころに『Lifeline...』という、孤独な宇宙飛行士とチャットするだけのゲームが海外でヒットしたが、本作はそこにもうひと工夫加えながら、現代社会が抱えるテーマをプレイヤーに突きつける。そのテーマは「光るだけの機械」というインタラクトと有機的に結びつき、レールプレイを幅のあるナラティブに変換させる。
おいし水氏の現時点での代表作である『ファミレスを享受せよ』が詩的SFだとしたら、今作は紛れもない文学であると感じた。
テキストのみで伝えられる情報からは、確かに生身の人間の息遣いが聞こえてくる。
© Keitarou Hiraki, Font Silo 1990-2015.