Desert Child~砂漠の子~
Akupara Games
2018年12月11日
PlayStation 4、 Nintendo Switch、Xbox One、Steam
『Desert Child~砂漠の子~』はオーストラリア人であるOscar Brittain氏がビジュアルアートから音楽まで全て一人で開発したゲーム。
オーストラリアのゲーム産業といえば『L.A.ノワール』(2011年)の失敗とトラブル、それにまつわる買収騒動などで大変だという事くらいしか知りませんでしたが、ゲーム自体は国全体で広く愛されていてソシャゲからコンシューマーまで幅広く遊ばれているようです。
近年では『Hollow Knight』(2017年)のようなインディーのヒット作もあり注目は高まっています。
魅力的なアート
このゲームの特徴はなんといってもピクセルアートによって描かれたお洒落なビジュアル。プレイヤーは、これら2.5Dのマップの中を自由に歩き回ることができます。
BGMに使われているローファイなビートも心地よく、場面によっては歌なども流れますが、それも味があっていい感じ。
レコード屋でレコードを購入するとBGMとして流れます。
世界観
switch版だけかもしれませんが、一部テキストが横に伸びていって読めず、ストーリーはほとんど理解できませんでした。
何となくわかったのは、どうやら主人公はホバーバイクレースの賞金稼ぎで、地球で名を挙げて火星(レースの本場?)で開かれる大きな大会で優勝することを最終目標にしているということ。
開発者インタビューでは『AKIRA』『REDLINE』『カウボーイビバップ』など、日本の映像作品からの影響を公言していて、それらの要素が組み合わさって今作の独特な世界観が形成されているそうです。
ゲームの流れ
最初のマップである地球でのチュートリアルを終えてレースに勝つと火星へ。
火星では様々な店舗が存在し、バイクの改造も出来ます。
レースは一対一のバトルで、数種類の中から選んだ武器で障害物を壊し、お金を多く拾いながら先にゴールすれば勝ち。
弾薬がなくなると補給しなければならず、ブーストチャージに気を付けながら望むのですが、ステージの背景は種類が多く見ていて楽しいものになっています。
バイクが損傷すると修理屋で修理なければなりませんが、それ以外にもレースに勝つためには腹を満たさなければなりません。
火星にはピザや豆など様々な食べ物屋がありますが、ラーメンを食べるアニメーションが見られるのはとてもユニーク。
火星の大会にはエントリー料金を払わなければ出られないので、とにかくバイト。
街には様々なバイトがありますが、全部がバイクレースを土台にして作られているので、手っ取り早く稼ぐにはピザの配達が良いですね。
そんな感じでお金を稼いで、最終的には大会で3回勝てばエンディングという流れになっています。
感想
主人公の動きがめちゃくちゃのろいです。
マップは素晴らしいのですが、移動にとても時間がかかり、(バイトを含む)レースをするたびに同じ場所に戻されるので、中盤からはいちばん稼げるピザ屋と拠点を往復するだけになり、どうやったって飽きます。
生活シミュレーションとアクション部分が上手く融合しているとは言い難く、ビジュアルへのこだわりがゲームの足を引っ張ってしまっているという印象。
ただこれ、友達が「オリジナルのゲーム作ったから遊んでみてよ!」と言って持ってきたら大絶賛していると思います。
なんというか、「デモテープ感」が強い。
プロトタイプの魅力というか、センスの共有感というか、そういう懐かしさや愛に溢れた作品だと思います。
ゲームとしては全然面白くないです。
© 2018 Oscar Brittain