みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

バイオハザード RE:2(PS4)

バイオハザード RE:2
カプコン
2019年1月25日
PlayStation 5、PlayStation 4Nintendo SwitchXbox OneXbox Series X/S、Microsoft Windows Amazon Luna


バイオハザード RE:2』は、1998年に初代PlayStation用として発売された『バイオハザード2』をカプコン独自のゲームエンジン「RE ENGINE」でリメイクしたもの。

 

私自身、原作であるバイオ2をプレイしたのが遠い昔のため、今回のレビューをする前に実況プレイ映像で見直しました。実際に原作の映像を見てわかったのは、思ったよりも画面が明るいということ。
最近のホラーゲームは暗い空間の中を懐中電灯の頼りない灯りによって探索するものが増えましたが、98年時点の技術では表現的に難しかったのでしょう。しかし、暗く濃い色のポリゴンが多用され、それがグロテスクで不気味な雰囲気を醸し出している。
PlayStation 2の発売が2000年で、その後DVDが普及するわけですが、それ以前はVHSというビデオテープが映像ソフトの主流でした。巷ではまだ個人経営のレンタルビデオ屋が多く存在し、映画好きな人たち、特にホラーのようなマニア向けのジャンルを嗜好する者は、お目当てのビデオを探しにそういった店を巡回したものです。DVDと違い、ビデオテープは映像自体が経年劣化するため、ただでさえ低予算でチープなホラー映画をノイズ混じりの映像で鑑賞していたわけです。そういった環境の中でプレイするバイオ2の映像というのは、かなりリアル、もっと言えば綺麗だとすら感じた記憶があります。

近年のゾンビものといえば2010年に放送を開始し、昨年2022年まで続いた人気長寿番組『ウォーキング・デッド』が最もポピュラーかと思います。他にも『ワールド・ウォーZ』や『新感染 ファイナル・エクスプレス』なども記憶に新しいでしょう。これらの作品は80~90年代のチープなイメージを払拭する効果をもたらしました。昼間の開けた空間の多様から、物量で攻めてくるゾンビ、人間ドラマを中心とした構成など、そこには新しいゾンビ映像の模索があり、これらの作品によってゾンビに対するイメージは大きく変わったと言えるし、映画版のバイオハザードが原作とかけ離れたものになっていったのも納得がいきます。

なので、98年に発売されたバイオ2を現代にリメイクすることに対する意義というのは、正直あまり感じられませんでした。

 

しかし、実際にプレイしてみると、98年版のプレイ感を見事に再現しながら、最新の技術によって違和感なく楽しめるものに仕上がっていることに驚きます。
カメラワーク、謎解きの仕掛け、シナリオとマップに若干の変更があるにもかかわらず、なぜこうも懐かしさを感じさせるのか。それはバイオハザードというシリーズが、多少迷走しながらも、幾度となく原点に立ち返り独自のホラーアクションを築き上げてきた結果だと言えます。

 

振り返ってみれば、初期のバイオが狭い空間を効果的に使うために導入したパズル要素や、4作目で確立したTPS要素など、本シリーズが後のホラーアクションに与えた影響は大きく、その先端にある本作が古さと新しさを両立させられたのは必然といえるでしょう。

 

延々とプレイヤーを追いかけてくるタイラントのしつこさはレジデントイービルより後退。とはいえ、逃げながらパズルを解いていく緊張感と弾薬管理を軸とした原作の特徴は堅持。2人の主人公の絡みは原作よりも削られてはいるけど、本シリーズの特徴である2周目の楽しさはしっかりとあって好感触。

 

レオンの顔つきがいかにも新入りっぽい頼りなさを漂わせつつ、強い正義感を感じさせるのも良い。

正直に言うと、私は『バイオハザード リベレーションズ』と『バイオハザード6』でTPSバイオの限界を感じていたので本作にも全く期待していなかったのですが、かなり印象が変わりました。もちろん良い意味で。
初期バイオの持つ良さというのはFPSとなった『レジデントイービル』でも十分発揮されていましたが、それを経て作られた過去作のリメイクに高い再現性を持って引き継がれているのは驚きでした。
2023年現在、本作から始まった「REシリーズ」は3作目まで出すに至り、どれもユーザーからの高い評価を得ていますが、本作をプレイしたかぎり、そうした評価も納得の素晴らしい出来でした。

 

 

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