みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠(switch)

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伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠
ハッピーミール
2019年1月24日
Nintendo Switch,PlayStation 4,Steam,DMM GAMES

 

既に今年の夏に続編発売が決まっているハッピーミールによるミステリー案内シリーズの一作目。クリア後の感想です。

※ネタバレなし

 

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ファミコン時代のコマンド総当たり推理アドベンチャーを意識した…というより完コピしたかのようなゲーム。イラストはファミ通クロスレビューのレビュアー絵などでゲーマーにはおなじみの新井清和氏が担当。

80年代ファミコンの『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ』に代表される「堀井ミステリー三部作」の影響を強く感じますが他の作品からもおいしいとこ取りしているそうで。

 

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ファミコン探偵倶楽部』とか『さんまの名探偵』あたりでしょうか?

スマホで遊べるミニゲームまでファミコン風だったり、疑似3Ⅾっぽい迷路があったりと、ファミコン時代のアドベンチャーゲームを知る人にはたまらないこだわりが随所に散りばめられています。

 

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ストーリーはタイトルの通り、殺人事件を追って伊勢志摩に行って観光名所を巡りながら謎を解いていくというもの。

こんなの再放送の2時間ドラマで100回くらい見た定番もので、いい加減飽き飽きだしテレビでやっててももう見ませんよ。

なんでこんな昭和の再放送ドラマみたいなものを今さら見なくてはいけないのか。もうここ10年以上流行っている30~40代向けのノスタルジー商法には嫌悪感しかないし、キン消しゾイドと一緒に燃やしてしまえと心から思います。

 

 

ただ、今作について一つ言えるのは「とても丁寧に作り込んでいる」ということです。

ストーリーは何重にも伏線が貼られ、魅力的な登場人物の個性を生かした会話はユーモアを欠かさずもリアリティのあるドラマを組み立てていて飽きが来ない。

つまり…

 

 

 

めちゃくちゃおもしろいじゃないですか!!!

 

 

 

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ゲーム性は良く練られていてストレスは全く無し。

世界設定も現代で、レトロな作風とのミスマッチを上手くギャグにしていてハズしていない。にもかかわらず昭和の推理アドベンチャーの良さが全く失われていないので、むしろ新しく感じてしまうという錯覚に陥る。

これは…凄いことなのでは?

 

例えば海外ではゼルダに強い影響を受けながら、レトロなピクセルアートに現代的な動きを一つ加えることで確固たるオリジナリティを獲得した『Hyper Light Drifter』のような作品がここ数年でちらほら出始めました。

しかし、そのほとんどがアクションゲーム。

今作『伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠』のように、日本のファミコン時代だけ存在した推理ADVゲームのリブート的な作品が出るのは予想外でした。

ストーリーはベタですが、「オリジナルのシナリオを丁寧に作り込む」という愚直なまでの一点突破により説得力を持たせることに成功しています。

先ほどはレトロ商法を悪いことのように書きましたが、過去作を気軽に楽しめないゲームにおいて今作のようなクオリティの高いオリジナル作品は過去作の再評価にもつながるので「意義のあるレトロ商法」といえるでしょう。

今後日本のゲームのサービスにサブスクリプションなどが取り入れられた時には間違いなく多くのユーザーに受け入れられるポテンシャルを秘めているし、今の内に続編を量産するという姿勢も大正解。最新のゲームについていけない中年から子供まで幅広い層に支持されそうです。

 

あと、欠点というほどのことでもないのですが、BGMだけピンときませんでした。曲が悪いのではなく、シークエンス的なもので。ファミコン時代のBGMの繋ぎ方は本当によく考えられていて場面転換が気持ちよく感じられるものが多かったのですが、今作に足りないものがあるとすればそれくらいですね。それ以外は全部素晴らしい。

 

私は神宮寺三郎シリーズのファンなのですが、iモードやDSで量産された全然面白くない短編を「推理ADVってこういうものだから」「おもしろさとかは全然求めてないし」と自分自身を洗脳し、白目をむいて生きてきたわけです。

そんな冬の時代も、もう終わりです。

これからはハッピーミールさんのミステリー案内シリーズでハッピーなADVゲームライフをエンジョイしていきたいと思います!

 

 

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