1.メタファー:リファンタジオ(PS5)
2.龍が如く8(PS4)
3.Lake(Switch)
4.未解決事件は終わらせないといけないから(Switch)
5.祇:Path of the Goddess(Xbox Series S)
6.1000xRESIST(Switch)
7.Open Roads(Xbox Series S)
8.奇天烈相談ダイヤル(PC)
9.BALTRO(Switch)
10.野狗子: Slitterhead(PS5)
2024年に遊んだゲーム
【Switch】
「魂売」
「Lake」
「who is zombie」
「フォーエバーブルー ルミナス」
「TETRIS99」
「プリンセスピーチ ShowTime!」
「SOUTH PARK:SNOW DAY!」
「ドキドキ文芸部プラス」
「New電波人間のRPG FREE!」
「神無迷路」
「東京サイコデミック」
「Fading Afternoon」
「春待ちトロイダル」
「ファミコン探偵倶楽部 笑み男」
「未解決事件は終わらせないといけないから」
「北海道連続殺人事件 オホーツクに消ゆ~追憶の流氷・涙のニポポ人形」
「ゼルダの伝説 知恵のかりもの」
「BALTRO」
「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…」
「帰宅」
「ドラえもんのどら焼き屋さん物語」
「1000xRESIST」
【PS4】
「Christmas Massacre」
「龍が如く8」
【PS5】
「ASTRO's PLAYROOM」
「野狗子: Slitterhead」
「メタファー:リファンタジオ」
【Xbox Series S】
「スピリットティー」
「アサシン クリード ヴァルハラ」
「Alan Wake Remastered」
「ナイト スプリングス/レイクハウス」(Alan Wake 2)
「DEATHLOOP」
「Fallout 76」
「祇:Path of the Goddess」
「シチズン・スリーパー」
「Open Roads」
「HUMANITY」
「インディ・ジョーンズ/大いなる円環」
「ペルソナ3 リロード」
「S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl」
【PC】
「奇天烈相談ダイヤル」
【Netflix】
「Immortality」
【スマホアプリ】
「にほんの田舎ぐらし」
「ザコシュー」
「呪術廻戦 ファントムパレード」
「逃亡恋愛ADVバキバキメモワール」
「太鼓の達人 PopTapBeat」
「FANTASIAN」
「Mutazione」
「Alba Wildlife Adventure」
「ビックリマン・ワンダーコレクション」
今年はコンシューマゲームが40本と、あまりできなかったのですが、そもそも遊びたいゲームも少なかった。というのも、今年の大作はPS5に多く出ている印象が強かったため、遅ればせながら年末にPS5をようやく購入して現在遊んでいる真っ最中。
振り返ってみると今年は懐かしいタイトルの続編やリメイクが乱発し、嬉しい反面がっかりすることもあり、全体的にはモヤモヤすることが多かったです。
国産RPGの傑作2本
1位と2位はほぼ同率。メタファーも龍8どちらもペルソナ5を踏襲したつくりになっていますが、ペルソナ5が震災(3.11)後の世界を描いているのに対し、メタファーと龍8はその後の世界を正面から引き受けているのが良かった。
2024年という年は、東京都知事選や兵庫県知事選問題など、SNSの支持率が直接現実に影響を及ぼすことが可視化された年でした。ペルソナ5でもインターネット上の支持率を物語に取り入れていましたが、メタファー&龍8はそうしたポピュリズムが一段階あがった世界を半ば予言的、しかし必然的に描いていて、その共時性とアプローチの差異が興味深い。そして2作ともシリーズとしては最速でミリオンセラーを達成するという快挙を成し遂げました。
社会性の強い作品が必ずしも面白いゲームだとは言えませんが、現実の社会が不安に覆われている時に、そうした空気を反映してしまうのはRPGという、物語をメインに扱うジャンルでは不可避な面があり、そこから逃げずにエンタメ作品として作りきったことはクリエイターの態度として誠実であり、シリーズとしての強度を上げています。
同時代性が高く、この時代の記憶として未来でも評価されるべき作品。
任天堂が相変わらず凄い
任天堂から発売された『プリンセスピーチ ShowTime!』と『ゼルダの伝説 知恵のかりもの』も印象的でした。ゲーム自体は低年齢の女児向けですが、ちゃんとお金と時間をかけて丁寧に作られている。任天堂はここ数年で多様なニーズに応える作品を意欲的に制作していて、世界を見据えて戦略を立てているのがわかります。
インディゲームの勢いは続く
インディゲームは相変わらずメジャータイトルとは角度の違う視点を持つ作品が数多く配信・ローカライズされ続けていて休む暇がない。ゲーム的な瞬間的快感やインパクトに限ればインディ作品の方が特化しているとも言えます。
間違い探しとホラーを組み合わせた『8番出口』はゲーム実況を中心に流行し、多くのフォロワー作品を生み出し、ついには映画化までされることに。
シミュレーションゲームの老舗であるカイロソフトによる『ドラえもんのどら焼き屋さん物語』も、藤子Fキャラクターを起用することで知名度を上げることに成功。内容はいつものカイロソフトのクオリティを保っていて最高に面白かった。
海外で評価の高かった『1000xRESIST』は香港の雨傘運動を扱った政治色の強い作品ですが、メタファー&龍8と違うのは、制作者個人の情念を軸とした文学的なアプローチが濃く、感触としては『返校』に近い。
アサクリ騒動
今年印象的だったゲームニュースと言えば、いちばん大きなものは「アサクリ騒動」でしょう。主人公が黒人(弥助)ということで海外から批判が起きたあと、少し遅れて日本で歴史改変問題として炎上。発売延期にまで発展しました。
この問題、日本のゲームメディアが全く触れないままゲームに詳しくない歴史研究家が言及して更に炎上。結果、誰も触れたがらなくなったままネット保守の妄想の比率が上がっていき、手が付けられない状態になって自然消滅。
私も当時様々な言説を読み込んで纏めようとしましたが、あえなく断念。
根本にあるのはアジア人差別なのですが、ゲームの考証にたずさわった人物が話を盛りがちで、ネット民の権威(この場合歴史家)不信と、学術研究者のSNS下手が災いして、反動として無関係なデマだけが大量に消費されていくという地獄に。終盤では騒いでいる人達がほとんどアサクリ未プレイ民ばかりになったのでどうでもよくなりました。来年の発売が楽しみです。
ポピュリズムとナラティブ
アメリカでトランプが再選したことにより、今後ゲームを問わず多くの海外エンタメ作品は政治性を強く帯びていくこと必至なわけですが、これらを個人の批評家が読み解いていくのは中々困難だと思います。
日本のネット左翼は投票率が上がれば世の中が良くなるという理想を掲げていましたが、実際には投票率の向上=ポピュリストの躍進を招いてしまいました。
これは当然の結果で、投票するということはゲームのボタンを押すことと似ていて、自分の意思で物語に参加しているという実感を与えてくれる。これはもはやナラティブゲームそのものでしょう。
映画評論家の町山智浩氏が言うには、トランプの息子であるバロン君がGTAオンラインのコアユーザーで、普段投票に行かない若年層を取り込むためにストリーマーを使った宣伝をトランプに進言したといいます。これは10年ほど前にトランプが暴力ゲームを規制しようとしたことや、ゲーマーゲート事件を考えると納得のいく説です。
日本ではこれがTikTokなどに変わるわけですが、それもここ10年のスマホゲームと連続して考察すればそれほど難しい話ではないはずなのに、右も左もトンチンカンな言説ばかりしていて、ゲームメディアは相変わらず政治を語らない。なのでカルト・陰謀論界隈くらいからしか確信的な批評が出ないという、よくわからないことになっています。
だからこそ、メタファーと龍8が光る。
ゲームライター以外の人たちがもっとゲーム論を語る世の中になって欲しいものです。
一方で、今年は雑誌や新書でホラージャンルの特集が多く出版され、ホラーゲームに多くの紙面を割いたものが多かったので期待して読みましたが、ゲームの部分だけゲームライターに丸投げしているものが多く、ジャンルの片隅に置かせてもらっているだけという印象が拭えませんでした。残念。
そんな中で良かったのが近藤銀河著『フェミニスト、ゲームやってる』という書籍。
タイトルだけ見るとフェミニストの人が普段やらないゲームをやって感想を書いている内容なのかなと思ってしまいそうですが、蓋を開けてみればガチゲーマーの至極真っ当な批評集になっていて、ゲームのセレクトもゲーム好きなら納得のものばかり。
近年のゲームはLGBTクイアなど、マイノリティの視点を前面に出しているものが多いので、当事者による批評・感想は貴重だし、そこから漏れた読者の理解にも繋がるので良いことしかない。
先ほどアサクリ問題と非ゲーマー歴史家との拗れについて書きましたが、歴史ゲームだけ嗜む歴史学者みたいな人がいればもっと簡単に問題解決できたのではと思ってしまいます。
そうした意味で『フェミニスト、ゲームやってる』のような本が今後たくさん出ることを期待したいです。
最後に
今年はとにかく、ゲーム以外ではあまり聞かれなくなっていた「ナラティブ」という言葉を政治批評の世界で頻繁に聞くようになり、その意味も変容(あるいは劣化)していて、何ともモヤモヤする一年でした。エンタメの中ではゲームこそナラティブに特化したジャンルなので、ゲームとその他の世界を橋渡しするような文章を書ければいいなあと思っています。
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