みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

ドラゴンボールZ KAKAROT(PS4)

ドラゴンボールZ KAKAROT
サイバーコネクトツー
2020年1月16日
PlayStation 5、Nintendo SwitchPlayStation 4Xbox OneXbox Series X/S、Microsoft WindowsGoogle Stadia

 

本作『ドラゴンボールZ KAKAROT』は、2020年にPS4Xbox Oneのゲームとして発売され、その後はSwitchやPS5など多岐にわたるプラットフォームにて展開。現在3つの追加ストーリーが配信済みですが、今後も追加の予定があるとの事です。以下、本編と有料追加コンテンツの紹介と感想になります。

 

ストーリー

本作のストーリーは基本的には原作中心、アニメでいえば1990年代に放送された『ドラゴンボールZ』(フジテレビ系列.89~96年)のラディッツ編から魔人ブウ編までを網羅。所々カットされているとはいえ、大筋は初心者でも理解できる程度には丁寧に説明されており、名シーンも抜かりなく再現。アニメでは間延びして見えにくかったテーマが、よりくっきりと浮かび上がっているので、ファンにとっても新鮮な体験が得られるでしょう。個人的に、特に中盤からはベジータの物語としてアニメよりも感情移入度が高かったのですが、これも実際にプレイヤーの操作でベジータを動かせるというゲームならではの没入感の成せる業なのではないかと思います。

 

マップ

マップはエリアごとに区切られてはいるものの、一つのエリアがかなり広く、舞空術で自由に飛び回るのには十分な広さ。西の都のような大きな街の他、小さな村や民家などが点在し、立ち寄ることで必ず何かしらの恩恵を受けられます。

 

そこら中に散らばっている「Z」マークの珠を集めて消費することで新しい技を覚えることができます。その他にも、意外なキャラクターと会話出来たり、図鑑を埋めるための様々なミッションが隠されています。図鑑を埋めるとアイテムの他、カードダスなどの貴重品が貰えるので、コンプリートしたい人にとって探索は必須。こうした要素は得てして作業になりがちですが、原作やアニメに出てくるちょっと懐かしかったりマニアックなロケーションが随所に用意されているので、図鑑を埋めたいようなコアなファンならば全く苦にはなりません!

 

中盤からは各地に散らばるドラゴンボールを集めることができ、神龍が叶えてくれる願いは、ボスキャラとの再戦や大量のゼニー獲得など数種類あり、石になったドラゴンボールはリアルタイムで20分経過すると復活。そして何度でも集められるという破格の仕様。これも探索の楽しさを大きく上げています。

 

 

サブクエス

この手のゲームでは珍しく、サブクエストが面白い!これに関してはドラゴンボールという作品の持つ幅の広さを実感せずにはいられません。アニメオリジナルのストーリーや映画、さらには『ドラゴンボール超』の設定が生かされており、どれも秀逸。クエスト受注は時限式で、本編のストーリーに夢中になっていると見逃してしまう事もありますが、クリア後に実装されるタイムマシンを使うことで確実に受けることができます。

 

戦闘

戦闘は至ってシンプル。覚えた技を好きなボタンにセットして繰り出すだけ。「気」を切らさないように注意しながら敵の技を回避していきます。回避行動は「気」を消費しないので、敵の行動パターンがわかればほとんどの戦闘で苦戦することはありません。戦闘を助けてくれるキャラクターも2人まで選ぶことができ、戦闘開始時に3人同時に強力な必殺技を繰り出すなんてことも出来るようになります。フィールドでのザコ戦では、自分よりレベルの低い相手はブーストアタックで溶かせます。経験値アップの効果がある料理と組み合わせれば効率よくレベル上げが出来ます。

戦闘の難易度はいつでも変えられるのでアクションが苦手な人でも安心して遊べます。

 

感想

これらの基本的なシステムに加え、これでもかと押し寄せてくるドラゴンボールワールドの魅力が本作には詰まっています。アニメの音楽を担当した菊池俊輔の楽曲がBGMに使われているのも熱い。
細かいところだと、大した出番のなかったチャオズをパーティーに加えられるのも嬉しいし、ファミコン時代のザコキャラやカードダスまで、古参ファンにとっても至れり尽くせりの充実した内容。さらには、オンライン対戦が出来る「ドラゴンボール カードウォリアーズ」も遊べます。

 

ゲーム的には必要のない筋斗雲や自動車など、ロールプレイに特化したアクティビティが無駄に充実しているのも素晴らしい。ドラゴンボールのゲームは数多く出ていますが、一人で存分に世界観に浸りたいときに本作はうってつけです。良い意味で古き良きJRPGらしさも感じさせ、ゲームからしばらく離れてしまっていた人でも十分楽しめます。とにかく、原作の良さを最大限に活かして作り上げた感が凄い。
ゲームクリア後にもう一度マンガやアニメを見直したり、90年代の劇場版にまで手が伸びるほど、ドラゴンボールという作品の良さを再確認させてくれたゲームでした。最高。

 


有料追加コンテンツ紹介

『アニソン&BGMパック ~ドラゴンボールZ KAKAROTセレクション~』

 2020年4月28日配信

フィールドやバトルの時のBGMを増やせるコンテンツ。『Z』はもちろん、初代『ドラゴンボール』や『ドラゴンボール改』のオープニングやエンディングなどで流れる歌が入っています。アニソンだけをBGMに設定することができるのも嬉しい。

 

『新たなる覚醒(前編・後編)』

 2020年4月28日、2020年11月17日配信

前編は2013年に公開された映画『ドラゴンボールZ 神と神』の後の世界。なので、ストーリーメインというわけではなく、ビルス様のもとでの悟空とベジータの修業がメインとなっています。ウイスさんと修行することによりスーパーサイヤ人ゴッド、スーパーサイヤ人ブルーへの変身が可能になり、経験値も大量に稼げます。悟空とベジータ以外は修行できませんが、一つの修業を終えるたびに経験値取得アイテムが貰えるので、それを本編に持ち帰って他のキャラを強化することができます。ビルス様と戦うことも出来ますが、推奨レベルが300に設定されているので、十分キャラを育成してから戦いましょう。純粋なエンドコンテンツという感じですね。

 

後編は2015年に公開された映画『ドラゴンボールZ 復活の「F」』における、フリーザ軍とゴールデンフリーザとの戦闘を体験できます。対フリーザ軍では大量のザコキャラを無双シリーズのように捌いていかなければならないので範囲系の必殺技を強化しておくと楽です。ゴールデンフリーザを倒すと一応のエンディングを迎えますが、クリア後にはビルス様と同じく最強のゴールデンフリーザと対戦できるようになります。『新たなる覚醒』は前後編通じてレベル上げとエンドコンテンツ要素が強いので、ストーリーを期待するとがっかりしてしまうかもしれません。

 

『-TRUNKS- 希望の戦士』

 2021年6月11日配信

1993年にフジテレビ系列で放映されたスペシャルアニメ『ドラゴンボールZ 絶望への反抗!!残された超戦士・悟飯とトランクス』を基にしたストーリーが展開されます。人造人間編の本編とは別の世界線で生き残った悟飯とトランクスの戦いが描かれます。

 

93年のアニメはそこで終わりますが、本作ではその後のトランクスによるブウ編までストーリーが展開されます。『超』における未来トランクスへと続く話ですね。レベルは引き継がれず、仲間も少ないので孤独な戦いを強いられますが、それがかえってストーリーを盛り上げる効果を発揮していて良かったです。

 

『-BARDOCK- たったひとりの最終決戦』

 2023年1月12日

1990年にフジテレビ系列で放映されたスペシャルアニメ『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜』を基にしたストーリーが展開されます。悟空の父・バーダックを操作してフリーザ軍の命令で異星人の星を攻めるが、その隙にフリーザによって惑星ベジータが...という内容。

 

クリア後、子供の頃のベジータを操作するミッションが遊べます。赤ちゃん悟空や、青年ナッパが登場するのも見所のひとつ。こちらも『-TRUNKS- 希望の戦士』と同様に、ストーリーを存分に楽しめるものとなっています。

 

以上、ゲーム本編と、2023年3月現在までに配信された有料追加コンテンツのレビューでした。正確にはあと2つほどサブクエストが配信されていますが、そちらももちろんお薦めできます。今後予定されているものとして『第23回天下一武道会』が予定されていますが、こちらも本当に楽しみですね。ドラゴンボールのゲームは対戦もののほうが高い売り上げを維持していますが、一人用の、作品世界にどっぷりと浸れる本作のような作品を、丁寧かつ継続的に作り込んでいく姿勢はファンとしては本当に嬉しい限り。キャラゲーと侮るなかれ、ドラゴンボールRPGとしては間違いなく群を抜いて最高傑作であると思います。

 

 

 

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