地球防衛軍4.1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR
ディースリー・パブリッシャー
2015年4月2日
PlayStation 4、Microsoft Windows
『地球防衛軍4.1 THE SHADOW OF NEW DESPAIR』は、2013年7月4日にXbox360・PlayStation3で発売された『地球防衛軍4』に追加・変更を加えたもの。開発はサンロッド。
以下、レンジャーでノーマルモードクリア後の感想です。
ストーリー
舞台は前作『地球防衛軍3』から7年後の世界。全滅したと思われていた地球外生命体「フォーリナー」が再度襲ってきた!
キャッチコピーの「ついに地球終了のお知らせ。」というのが良いですね。
実際プレイしてみるとシリーズでは毎度おなじみの「新種です!」~「今後、この生物を○○と呼称します」を延々と繰り返しているうちに終わります。ストーリー性の薄さがここまでマイナスにならないゲームも珍しい。ただ、これ以降のナンバリング作品に比べると隊員がめちゃくちゃうるさく感じます。まあ、それも特にマイナスにはならないんですけど。
このゲームは今年(2022年)の年末にSwitch版が発売されるのですが、オンラインでプレイする人が多いであろうSwitch版ではストーリー性の薄さはむしろプラスだと思います。ディースリー・パブリッシャーのゲームで地球防衛軍だけがこんなに息が長いのは、やはりオンラインと抜群に相性が良かったということでしょう。
ストーリー、隊員の無個性、ハクスラ要素など、オンラインマルチプレイ時代を見越したかのようなゲームデザインを20年前に完成させているのが凄い。
ゲーム
ゲーム内容も相変わらずだけど面白い。最新作である『地球防衛軍6』を遊んだばかりなので、それと比較しますが、だいたい一緒です!
装備が2つしかできなくて「歩行速度UP」のような補助アイテムこそ存在しませんが、標準能力がそこそこ高いので気にならない。レンジャーだと「ダッシュ」がないのが最初不満でしたが、「横跳び」で十分まかなえます。横跳びはダッシュよりもマヌケで不自然ですが、それもまた面白要素として許容できてしまうのがこのシリーズの強み。
あと今作は、一緒に行動してくれる隊員がめちゃくちゃ多い!
広いマップだと横跳びで早急に散らばった隊員たちを探しに行かなければ難易度が跳ね上がるのが辛かったけど、今では良い思い出です。
しかし終盤はあっという間に隊員が全員溶けて、自分一人で戦っているような理不尽さを感じることも。しかし、それを見越したように「まさか、、、まだ戦っている人がいます!」というオペレーターの通信が聞こえてくるという熱い演出で盛り上げてくれます。
怪獣軍団VSロボット軍団のくだりも最高。ここでは巨大ロボットを自分で操縦することができます。最新作のロボット戦と比較すると、私の勘違いかもしれませんが、寸分の狂いなく一緒でした。おそらくこの時点で既に完成されていたのでしょう。面白かったので何も問題ありません。
ロケーション
マップのロケーションに関しては確実に最新作より優れています。これまでたくさんのゲームの中の街並みを見てきましたが、ここまで春日部感の強いマップを見たことがありません。地方都市の雰囲気のとらえ方が絶妙。
現代日本を舞台としたゲームでは『龍が如く』シリーズが飛び抜けてリアルですが、地方都市を描く場合はディテールよりも模型感を前面に打ち出した方が特撮的リアリティが出るのだということを本作は証明しています。
わけのわからないものに日常が侵食されている感じが良く出ていると思います。素晴らしい。
感想
疲れた心と体にこれほど効くゲームもない。
バラバラにはじけ飛ぶ巨大生物、ロケットランチャー1発で崩れるビル群、衛星からの派手な絨毯爆撃。
EDFの有名なセリフに「これは怪物カーニバルだ!」というのがありますが、このセリフほど本シリーズの特徴を的確に表した言葉もないでしょう。
本当に、無意味で素晴らしいと思います。
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