みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

クーロンズゲートVR suzaku(PS4)

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クーロンズゲートVR suzaku

株式会社ジェットマン

2017年10月26日

PlayStation VR専用

 

言わずと知れたカルト的人気のゲーム『KOWLOON'S GATE クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-』(初代PS、1997年発売)のVR用リメイク作品。

私がこのクーロンズゲートというゲームの存在を知ったのが『超クソゲー2』(箭本進一阿部広樹多根清史著、太田出版、2000年)の特集記事で、ゲーム自体所持はしていますがほとんど未プレイ。少し触った程度であまり記憶にない状態です。

原作はいずれプレイし直すという事で、今回はゲーム紹介と、ざっくりとした感想に止めたいと思います。

 

舞台は九龍城砦

クーロンズゲートの世界観を九龍城砦を知らない人に説明するのはかなり困難。最近ニンテンドーswitchでのリメイクが決まった『九龍妖魔學園紀』(PS2、2004年)や『シェンムーⅡ』(DC、2001年)などのゲーム、押井守監督作品『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』(1995年)など、ある程度サイバーパンク要素のあるゲームやアニメに関心がある層には知られている九龍城砦ですが、これらの作品が出る前の1993年に取り壊されてしまったので広く一般に知られていません。

YouTubeなどで検索してみると、取り壊される前の九龍城砦の様子を映像で確認できますが、サイバーパンク要素が感じられるのは無数に露出している配管やコードくらいなもので、現在イメージされている九龍城砦は実物のものではなく、取り壊された後にインスピレーションされた作家によって創作されたアニメ・ゲーム作品に因るものが多いのではないでしょうか。

九龍城砦=電脳」というイメージから建造された川崎のゲームセンター『アミューズメントパーク ウェアハウス川崎店』にも最近訪れてみましたが、ここなんかは完全にクーロンズゲートの世界観だと思いました。

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サイバーパンク作品を好んで見ている人間からすると、クーロンズゲートの世界観は絶妙なリアリティを持つ魅力的な世界に思えるのですが、この感覚が伝わり辛いのです。

それゆえこの作品がカルト作品と呼ばれてしまう所為なのでしょう。

 

クラウドファンディング

クーロンズゲートVR suzaku』を制作した株式会社ジェットマンは、原作である『KOWLOON'S GATE クーロンズ・ゲート-九龍風水傳-』を開発したオリジナルメンバー4人を中心に前身となる有限会社 是空が1998年に設立され、ゲーム以外にもクーロンズゲート関連のグッズ販売やコンサートなどのイベントを定期的に開催しています。

今作の開発に向けてクラウドファンディングでの出資を募った所、当初の目標金額300万円を15時間で達成し、最終的に900万円の支援総額に達していることが株式会社CAMPFIREのHPで確認できます。

このクラウドファンディングの結果を見ても根強いファンの多いことが窺えます。

 

VR体験

クーロンズゲートの世界をVRで体験するというコンセプトで作られた作品なのでストーリーは完全に省かれています。セリフすらほとんどなし。

ただこの世界を歩いて見渡して体験する事のみに特化しています。

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実際にやることといえば、道に落ちている「剥きエビ」というアイテムを消費して念写した写真に写っている場所を探して写真を撮る。それだけです。

これがどうしてかクーロンズゲートの世界観にマッチしていて結構面白いです。

もともとのPS版が3D酔いすやすいタイプのゲームで、今作は対策として移動する際の視覚効果を何段階か設定できるようにはなっているのですが、ちょっときつかったです。ただ見渡すだけならクーロンズゲートの世界を堪能出来て最高なのですが、やはりまだVRの修業が足りずに早々に断念してしまいました…

ですが!

なんと発売から2か月足らずで「NonVRプレイモード」が追加。

これで誰でも安心してクーロンズゲートの世界をくまなく探索することが出来るようになりました!

例の剥きエビ集めも、クリアしていくごとに必要数が増えていくのでVR酔いする私には地獄でした。結構な序盤でNonVRプレイモードにチェンジ!(VRモードからは引き継げないので初めからやり直し)

 

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どこか懐かしい不思議な景色と奇妙なキャラクターたち。念写した写真に写った場所を探して彷徨うことで様々な発見や変化が見られ、飽きずに没入してしまう魅力があるのでVR酔いしない人がうらやましい!

 

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ロード中に表示されるテキストも面白いのですが、原作を知っていたらより楽しめるのかと思います。

 

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あと、所々にこのような実写の人物像が使われていますが、これはおそらくクラウドファンディングの出資者さんたちですね。当時私が使っていたTwitterのフォロワーさんがとても喜んでいたのを憶えています。

 

まとめ

クラウドファンディングに出資した人たちの多くはVRを所持していたと思うのですが、その中でも3D酔いしてしまう方にも配慮して早急にNonVRプレイモードを実装したのは素晴らしいし、新規のファンにも優しく、作品の間口は広いと感じます。実際私もNonVRプレイモードがあることで買いました。

ゲーム性に期待したユーザーの中にはがっかりする人もいるかもしれませんが、原作の性質や値段、制作過程を考えると仕方ないかと。

 

…と思ったのですがこのゲームの価格って4298(税込)もするんですね!今(2019年)だと2000円以下で買えるので安いと思っていたのですが...

発売当初の値段を考慮すると完全にファングッズの域を出ないゲームだと感じますが、現在VRを所有していてこういった世界観に興味を持っている方になら安く買えるのでおススメ出来ます。

唯一無二の個性を持った作品です。

 


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