絶体絶命都市3‐壊れゆく街と彼女の歌‐
2009年4月23日
ネタバレなしの感想です。
今作『絶体絶命都市3』ですが、ナンバリング1~2と比べてあまり話題に上らないような気がしていたのですが初週の売り上げは前作よりも3千本程上がっています(31,434)。
登場人物を紹介する記事を作っていて気が付いたのですが、
今回登場人物がとても少ない・・・。
この『3』の内容はある意味1作目のリメイク的な側面があります。
1作目同様に一本道のストーリーで登場人物は少ないけど1~2作目にある要素はきちんと継承しながらブラッシュアップされています。
2作目にあったような複数主人公やパズルなどは削りストーリーは演出に力を入れてシンプルながらも雨や火や水の災害もしっかりと登場します。
PSPの性能で過去作のような派手な演出が抑え気味になっているのをCGムービーの導入によって補っていながらも火炎旋風や大きな避難所でのトラブルなどの新要素もきちんと盛り込まれています。
火炎旋風が起こる前の兆候
専門家による災害マニュアルの充実ぶりも過去作ではプレイヤーにそこまで意識されなかった防災対策の強化と取れます。
これらの要素に加えてマルチプレイ対応など、シリーズの方向性を少し変えて新生したかったのかと思える部分がいくつか見受けられます。
このマルチプレイ対応仕様のおかげか、今までのシリーズで足かせになっていたマップ移動の処理の重さが完全に解消されているのが一番の収穫かも。
信じられないほどサクサク動きます!
セーブも一瞬で出来る!
これは1作目の正統進化版ではないか!
しかし・・・
やはり長いロード。
PSPにインストールすることで早くなるはずが体感ではまるでわかりません。
上に書いた災害マニュアルですが、とても役に立つことがたくさん書いてあって勉強になります。
しかしマップは細かく区切られていて狭いマップを移動するにもロード、ただ3秒くらい歩いているだけの短い演出の間にもロード。それに加えて例の災害マニュアルが小物を拾ったり座ったりするだけの小さな行動に対しても画面にドーン!と表れて「災害マニュアルを読みますか?/はい/いいえ」と出てくるので著しくテンポを悪くしています。
せっかくマップ移動がこんなにサクサクになったのに・・・非常に残念です。
開発者のやりたいことはよくわかるのですが、今まではそういう面がゲームプレイを阻害することは全くなかったし今作も災害マニュアルの使用をもう少し工夫してくれればここまでテンポが悪くなることもなかった。
今作は本当に良いところがたくさんあって、衣装もとんでもなく増えてて楽しいし、マルチプレイも快適なのでみんなで好きな衣装を着て個性を出せて遊べるし、そう考えると惜しいなぁ・・・と思うのです。
『なりそこない英雄譚~太陽と月の物語~』の衣装
今作の比嘉夏海さん
今作『3』の発売後(『4』の製作途中)に絶体絶命都市の開発チームはアイレムから独立。シリーズは廃版となり、特にこの『3』の中古価格は出荷量の関係で他のナンバリングよりも格段に上がってしまい(当時9000円くらい付ける店もあった)多くのプレイヤーの手に渡る機会を逃してしまいました。
色んな意味で非常に惜しい作品です。