2016年9月29日
2006年にXbox360で発売されたゲームのPS4版をサマーセールで1000円で購入。その感想です。
どんなゲームか
『デッドライジング』は数あるゾンビゲームの中でも独自の明確なスタイルをもった傑作といってよいと思います。
私も360版はかなりやり込みました。
ロメロ監督『ゾンビ』をもとにしたのろまなゾンビ達。でも集団だとやっかい。
大型ショッピングモールという舞台。
何故か頭を破壊しなくても倒せるのは爽快感を追求した結果でしょう。
このゲームは記者であるフランクという主人公がショッピングモールに降り立ってから脱出用のヘリが到着するまでの3日間を生きのびて集団感染の謎を解き明かしていくわけですが、途中で死んでしまったりストーリー上重要なキャラを死なせてしまった場合に最初からやり直しても経験値やレベルが引き継がれていくので、マップや救出を待っているキャラの場所などをだんだんと覚えていきながら自分なりの最適ルートを見つけていくのがとても楽しいんです。
何周もしていると主人公もとても強くなって色んな技も覚えているのでゾンビの集団を簡単になぎ倒せるようになって爽快です。
主人公のフランクは映画『死霊のはらわた』のアッシュ(ブルース・キャンベル)のようなユーモアに満ちたキャラで、舞台であるショッピングモールにある様々な衣装を身に纏ったり芝刈り機でゾンビを轢いたりチェーンソーを振り回す姿は思わず笑ってしまいます。
ゾンビゲーでありながらこのような恐怖よりもユーモアを打ち出したゲームは一歩間違えればネタゲーになりがちですが、傑作ホラー映画のテイストをうまく取り入れることでホラーファンからも違和感なく受け入れられました。
壁に引っかかる仲間AIや、銃撃における操作性などの不満もあるにはあるのですが面白さが上回り広く傑作として評価されたのがこの一作目だったのだと思います。
PS4版の酷いバグ
この写真では主人公がドッジロールという技を使用しています。
ドッジロールとは右スティックを素早く2度入力することで前方へ受け身を取りながら飛び込む回避技です。
PS4版ではこれが普通に右スティックをいずれかの方向へ押し込むだけで発動してしまいます。
何度も調べて色々な入力のスピードや強弱を試しましたが無駄でした。
このゲームでは高所から落ちてはいけないような場面や、武器によってはドッジロールによって武器が手から離れてしまう仕様があるので致命的なバグだと思いました。
はっきり言ってまともに遊べません。
イージーモードもあるので何とかクリアは出来るかもしれませんが相当なストレスで、ただの苦行になることでしょう。
バグ修正パッチもないし、ただの不良品を何も修正しないままカプコンは売り続けていることになります。
今からこのゲームを買おうと思っている方、買わないでください。絶対に。
私が買ったのはダウンロード版なのですが、パッケージ版を買った人からもバグ報告はあります。ダウンロード版を買った方で同じバグが出ていないという報告もありますが、他のバグも確認されているようですし、そんな博打のような感覚で買うこと自体がありえません。
カプコンがこのゲームを大切にしていないことは2作目の時点でも伝わってきてはいました。
一作目に感銘を受けたライムスター宇多丸氏がプロデューサーをラジオのゲストに呼んだ時も、ゲームの本質に触れるような質問には「いやそれはわからないです」「その部分は私はあまり関与してません。そこを作ったスタッフが優秀だったのでしょう」みたいな曖昧な受け答えばかりで「この人このゲームのことなんにもわかってないんじゃないか・・・」というモヤモヤとした不満だけが残る放送でした。
私はこのデッドライジングというゲームはもっとシリーズとして良い意味でマンネリ化して続けていってほしいと思っていたのですが、シリーズ全体の評価はムラがありすぎてシリーズとしてはかなり悪い意味でクソゲー化してしまっているような印象です。
最新作でもバグがひどいようで売り上げも散々のようです。
もはや360で発売された一作目が奇跡の一本のように思えます。
その一作目でも今やるとかなりシステム的に快適とは言えない作りになってしまっているので少しは直して出せばよいものの、ベタに移植して更にはバグのおまけつき。
調べてみるとPS4に移植されたもの全てに致命的なバグがあるようです。
傑作なので今から興味を持った人にもお勧めしたいのですが、PS4版はやめて360版でプレイすることをお勧めします。