マッドマックス
2015年9月1日
アバランチスタジオ
PlayStation 4、 Xbox One、 Xbox 360、 Microsoft Windows、 Linux、 Mac OS
マッドマックスのクリア後の感想です。
映画のゲーム化
映画やアニメなどの原作があるもののゲーム化に我々日本人はあまり期待できない空気が出来てしまっていますが、海外の場合はよくできているものが多いです。
それはちゃんと制作者たちの作品へのリスペクトやゲームへの理解が噛み合っていることや、ファンの多い作品のゲーム化にはそれなりの予算がかけられているものが多いように思えます。
単純なキャラゲーにまとめずに、スターウォーズならFPS、エイリアンならステルスゲーにするなど、ジャンルとの相性とゲームとしての完成度をかなりの高レベルでまとめあげているものが多いです。
で、マッドマックスなんですが、これはオープンワールドのゲームです。
マッドマックスとオープンワールド。実際やってみての感想は・・・ほぼ完璧な仕上がり!!マッドマックスの世界を改造車でどこまでも走れる!!サイコー!!!ということに尽きます!!
とにかく最高!!!
ゲームと原作のつながりでいえば2作目や最新作である『怒りのデスロード』との関連性やオマージュが多く見受けられるので最低でもこの2本は鑑賞することをお勧めします。
原作もまあストーリーっていうほどのストーリーはなくて、車で走り回って奪ったり殺したりするだけなんですけどね!!
海外の原作ものって原作者がやたら口出ししてきて解かりづらいごちゃごちゃした設定をぶっこんでくるスピンオフ的なものじゃない限りはファンならすんなり入ることが出来る世界なんですよ。
これは強みだと思います。
だってもう知ってるんだから。
逆に知らない人がやると退屈だったり状況を飲み込めずに混乱するというリスクもありますが。
オープンワールドとの相性
オープンワールドゲームの批判でよく耳にするのが「入れる建物が少ない」などに代表される「広いだけで出来ることが少ない」のようなもの。
有名なオープンワールドのゲームを遊んでみると実際は出来ることの数は一般的なゲームの水準に達していたりするのですが、いかんせん世界が広いので相対的に少なく感じてしまうんですね。
そういった問題をこのマッドマックスはクリアしています。
マッドマックスの世界は戦争による大量虐殺で砂漠化・資源の枯渇。
無政府状態で弱肉強食の世界。
野盗集団は自動車を崇拝していてガソリンとスクラップだけが価値あるものとして存在しています。
そうです、マッドマックスの世界はもともとやれることが極端に少ないのです!!
建物なんてほとんど存在せず人々は地下の狭い空間で暮らしているし、木々などの自然も残っておらずどこまで行っても砂漠です。
・・・こう書くと手抜きゲームと思われるかもしれませんが、誤解です。
だって原作がそういう世界観なんだから!!
そして、マッドマックスの世界で出来ることは大体できる。
これはある意味オープンワールドの正解なのではないかと。
不満が全くないんだから。
このゲームにあれが足りないこれが足りないといった批判は全て当て嵌まりません。だって原作にないことはなくていいんだから。
そして世界はやたらと広大で美しく、見惚れるほど完成度が高い。
なにをするゲーム?
とにかく野盗を見つけてぶっ殺します。
野盗の車に自分の車をぶつけて破壊したり、奴らの拠点に乗り込んで拳や鉄の棒で殴り殺します。
そこからガソリンやスクラップなどを押収して自分の車を改造したり弱者達が集まっている拠点を補強することで自分自身も成長していきます。
やることは単調なのですが、システムがわかりやすくマップも全部砂漠なのに作り込まれているので飽きない。
ストーリーは原作と同じでほぼないのだけど、ラストのほうには原作ファンも大満足出来る展開がきちんと用意されていて泣けます。
体力回復は主に水。雨水や地下水を水筒に入れて持ち歩きます。
地面によく目を凝らしてみると、稀にネズミやトカゲが歩いているので踏みつけて生でいただくことも出来ます。
あとは蛆虫が貴重なたんぱく源ですね。主食といってよいでしょう。
そこらで死んだ人から蛆が沸いているので直接死体に手を突っ込んでいただきます。
ご丁寧にも蛆の沸いた死体にはフォークの形の食事マークが出ているのでわかりやすいですよ!!
難易度は選べませんがほどほどです。誰でもクリアできると思います。
車がメインのゲームなのですが、ストーリーを進める上では一回しかレースらしいものはありません。
レース場が別に設けられているので好きな方はそちらをプレイするとよいでしょう。
唯一の欠点
どうしても書いておかなければならない欠点が一つ。
日本語の字がとても小さいです。結構大きな画面でプレイしていてもよく見えないくらいです。
セリフに吹き替えがないのでわりと困ります。
セリフ自体がそんなにないのが救いですが、これだけは日本の制作側の悪手だとしか言えません。
満足度100%
とにかくこのゲームをプレイしている時って全く頭を使わないんですよ。
大きな拠点をどう攻めるかとかは考えるけど、適当でも行けるし。たまたまうまくいったら気持ちいいし。ストレスがない。
それでいて偶然美しいロケーションを発見して見入ってしまうというようなオープンワールドの醍醐味も詰まっていて、フォトモードも充実しています。
このゲームより完成度の高いゲームはわりとあるかとは思うんですけど、満足度で言ったらかなり上位。
ゼルダの最新作(ブレスオブザワイルド)より高いかも。
だって、謎解きも料理もしなくていいし。
もちろんそれらがあったほうがゲームとして楽しいのはわかるし、オリジナルゲームの新作ならこのゲームは及第点レベルだと思うんですよ。
でも、マッドマックスだから。
初めからないものはなくていいんですよ。
原作ありきのゲームとしての、なんていうか、幸福度が高いんですよね。
マッドマックスが好きでゲームも好きな方は是非プレイしてみてほしいです。
放浪者としてのマックスにうんざりするほどなりきれますよ!!!