みやび通信

好きなゲームについて色々書いていきます。たま~に攻略記事あり。

ゲンロン8~特集 ゲームの時代(単行本)

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ゲンロン8 ゲームの時代

株式会社ゲンロン

2018年6月7日

 

哲学者の東浩紀氏による批評誌『ゲンロン』のゲーム特集。

 いち早く本書を読みたかったのでゲンロン友の会というものに入って入手しました。

ですのでゲンロン誌自体に馴染みがなく相当に難解な展開を覚悟して読んだのですが杞憂でした。

まず冒頭の共同討議「メディアミックスからパチンコへ」では91年から現在に至る日本のゲーム史を具体的な作品を挙げながら総括していてわかりやすかったです。

ゲームに常に注目していてある程度プレイしている人にとってはあまり新鮮さはないかもしれませんが、実際にプロの批評家の言葉で語られることによって問題点が見えやすくなり頭がすっきりしました。

補遺ではゲームの外側の生身や環境にまで話が飛んでいて面白かったです。

さやわか氏による論考「ボタンの原理とゲームの倫理」ではそこからさらに任天堂が何故switchであのようなコントローラーの形状を採用したか、ボタンによる反応とコミュニケーションの考察等、ゲーマーであるほど逆に見過ごしやすい問題を取り上げていて目から鱗でした。

 

ローカライズ事業に携わっているスペイン人のイバイ・アメストイ氏へのインタビューは、日本にあこがれて日本で仕事をしている人から見た現在の日本のゲームに対する意見がかなりストレートに語られていて耳が痛いですが、この記事こそ日本のゲーム開発者・ユーザーに是非読んでほしいです。

現在の日本のゲームの質が落ちた理由は、ゲーム側がユーザーの質に大きく引っ張られすぎてガラパゴス化してしまったという一面があるかと思います。

ではなぜそうなってしまったのか?という問いに本書はかなり答えてくれます。

 

個人的に加点減点方式のレビューは購買の指針にはなるけれど、そればかりではツマラナイので本書のような批評はもっとたくさん読みたいです。

あとこの本はゲームを全くやったことのない人にも読まれるのが良いですね。

付属の年表に載っているゲームをつまんでいくだけでもかなり刺激になると思います。

昔から「映画や小説に詳しい人のゲームの感想が聞きたい!」と思っていたので本書によってそういった広がりが出来ることにも期待したいです。

 

 

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ドラゴンクエストビルダーズ(PS4)

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ドラゴンクエストビルダーズ

2016年1月28日

スクウェア・エニックス

PlayStation 4Nintendo SwitchPlayStation Vita、 PlayStation 3

 

PS4版『ドラゴンクエストビルダーズ』のプレイ後の感想です。

ネタバレはありません。

 

体験版のインパク

後発のswitch版より前に世界累計110万本というヒットを記録した本作ですが、発売日の約1週間前(1月22日)に配信された体験版は本作の成功を予感させるに足りるものでした。

全4章からなるドラゴンクエストビルダーズ(以下DQB)ですが、体験版では第1章が全部ではないけれどかなりのボリュームで配信されたので、このゲームの感触を正確に伝えることに成功したといえるでしょう。

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発売前はマインクラフトのパクリゲーだと思われていたのにも関わらずに実際に体験版に触れることでネガティブなイメージが払拭され売り上げにも大分貢献したんじゃないかと思います。

それほど素晴らしかった。

マインクラフトのゲーム性自体は敷居が低いもののビジュアル的にあまり日本のプレイヤーの中には馴染めない人も少なくなく、そういった層を掬い上げるという意味では単なるパクリ以上の価値を見出すことが出来ました。

 

ドラクエらしさの復権

そもそもこのゲーム発表時に期待値が低かった要因に昨今のドラクエの派生ゲームの乱発があります。

ドラクエの初期からのファンも40代に差し掛かりお金をかなり使ってくれるという環境に甘えた、ドラクエの皮を被せた質の低い商品が現在進行形でリリースされ続けています。

確かにキャラクターも音楽もドラクエなのですが、それらは単にキャラクターとノスタルジーを消費しながら流行りのゲームの劣化版を量産しているようにしか見えません。

リメイクも手抜きでひどいものばかりですし、ナンバリングも8から粗悪なスキルシステムや錬金などの自由度の低いシステムを固定することによってゲームとしての可能性を根こそぎ間引きして「ドラクエドラクエの枠から出さない」延命措置を取っているだけのような気がしてなりません。

ドラクエらしさとは、プレイヤーのノスタルジーに制作側が胡坐をかいて乗っかっているだけのものです。

「中盤からはぐれメタルでレベル上げするよね~」といったプレイヤーの思い出に乗っかってクソゲーでも中盤にはぐれメタル出しときゃ納得するだろ的な傲慢さを感じるし、もしも新しい試みによってそういった「ドラクエのお約束」が失われるとドラクエではなくなってしまうのではないかというゲームそのものに対する自信のなさも窺えます。

しかもそれがナンバリング作品にも顕著なことが心底残念に思います。

 

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DQBはアクションゲームで戦闘のコマンドはありません。レベル上げすらない。

魔法も使えないし勝手に穴を掘ってどこまでも進めるし車にも乗れる。

しかしレビューを見ていると多くのドラクエファンが「久しぶりにドラクエらしいドラクエ」という評価を下しています。

私もそう思いました。

何故か。

答えは簡単で、このDQBというゲームには堀井雄二氏がかなり大きく関わっているという、ただそれだけです。

かつて堀井さんは「ドラクエとは何か?」という問いに「僕が作ったRPGが結果ドラクエになる」と仰っていました。

この堀井さんの想いとファンとの想いがこの30年間全くブレていなかったことが証明されたということだけでもDQBは稀有な傑作と言えるでしょう。

インタビューなどを読むと堀井さんがかなり関わっているような印象を受けますが、実際は他のスタッフが優秀なのか細かいことは不明ですが「でも確実に遺伝子が残ってる。」(押井守)ということが重要。

DQBではモブキャラとの会話や小さなイベントなどが世界観を形成するうえで非常に重要な要素になりますが、ここら辺は初期ドラクエの根幹に関わる要素であるにも関わらず近年の作品では軽視されていたところです。

あと今作はドラクエⅠを題材にして作られてはいますが、ドラクエⅠを未プレイの人でも十分楽しめる内容になっています。

 

マインクラフトとの違い

最初にも書きましたがビジュアル面での親しみやすさが日本人好みだと思うし、さらによく知っているドラゴンクエストのモンスターやアイテムが出てくることで未知のサンドボックスゲームを遊ぶ敷居を下げることに成功しています。

マインクラフトや他のサンドボックス系のゲームとの差別化としてもう一つ重要なのはストーリーによってプレイヤーを一本道に乗せていること。

サンドボックスゲームに限らず日本人が海外のゲームを避けてしまう理由の多くに「自由すぎて何をしていいのかわからない」というものがありますが、これは国民的ゲームの強みですんなりプレイヤーはレールの上に乗せられてしまいます。

さらに今作のようなジャンルに不可欠な建築の要素ですが、これも堀井さんのアイデアで設計図が用意されていて、ストーリーは遊びたいけど建築が苦手な人への配慮も完璧です。

ドラクエという強みを最大限に生かしながらプレイヤーへの配慮も欠かさないDQBは、もはやドラクエそのものであり「マインクラフトのパクリ」というのは偏見に満ちたレッテルでしかありません。

 

ひとつ、細かいことかもしれませんが、初期のDQBのトロフィー取得の条件としてストーリーのタイムアタックが設定されていました。

これは設計図を作った堀井さんのプレイヤー目線の思想とは真逆の発想であり、このゲーム自体とも非常に相性が悪い。

それと上に書いた体験版ですら今作の魅力がたくさん詰まっていたのに、フリービルドモードではそれらのアイデアが全く生かされていません。それどころかプレイヤーを遊ばせるアイデアが一つもなく放置されているような状態です。

建築が好きな人はどんな環境でも勝手に遊べますが、本作の素晴らしい点の一つである「建築が苦手な人でも遊べる」という工夫がどこにも見られず残念に思いました。

堀井さん自身DQBに関して「2作目は難しい」と言うように、すでに発売が決定している2作目へは期待と不安が半々な状態です。

他のドラクエのナンバリング作品でも堀井さんが関わっていない部分が無料アプリ以下のゴミばかりなこともあり一抹の不安は拭えません。

 

 

以上、辛辣なことも書きましたがこの『ドラゴンクエストビルダーズ』は紛れもない傑作です。

久しくゲームをやっていなくて「ドラクエなら・・」と思っている人にはナンバリングよりもこちらを薦めたいくらいです。

古参のファンなら尚更「ドラクエらしさとは何か」を再確認できます。

今作は新しいドラクエのスタンダードになる可能性も十分秘めていますし、いつものスクエニクオリティのキャラゲーに堕落して消えていくかもしれない。

ただ、ドラクエの歴史的に見て、もっと大きく見れば日本のゲームの歴史的に見ても(海外のゲームの日本的な解釈として)重要な位置に置かれている作品だと思うし、今後の展開がとても楽しみな作品でもあります。

 

 

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Hyper Light Drifter(PS4)

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Hyper Light Drifter

2016年

Heart Machine

PlayStation 4Xbox OneMicrosoft WindowsLinuxMac OS、 Ouya

 

 

今作の主人公は不治の病にかかっていて、治療法を探すためにドリフター(放浪者)となって古い遺跡のある島(忘れられた島)を探索します。

 

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ストーリーには謎が多く、考察するのも楽しそうですが私はまずこのゲームの感触に感動し、入れ込んでしまいました。

宣伝の謳い文句には「懐かしのドット絵」のような表現も使われていますが、実際プレイしてみると懐かしさよりも新しさのほうが大きく感じられます。

 

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懐かしさという表現も当てはまらないこともないのですが、レトロゲームファンを意識しているというよりは表現としてドット絵を採用しているように思えます。

アンビエントなBGMとも相まって非常に幻想的な感触を視覚・操作と共に体感することが出来ます。

 

 

ゼルダの伝説がもたらしたもう一つの未来

私がゲームに興味を持った一つの理由に、技術の進化とともに新しい発想が生まれるんじゃないかというワクワクがありました。

ゲームを作るコンピューターの進化にクリエイターが常に新しい発想を提示していくことによって予測のつかない遊びや表現が生まれるんじゃないかという期待。

 

しかしゲームの歴史も長いので、長く続いているシリーズ作品というのはこういった技術の進化によって作品の根本的な良さやファンに愛されている要素を失っていくというリスクをはらんでいます。

2017年に発売されたゼルダの新作『ブレスオブザワイルド』ではそれまでのシリーズの定石を覆すような仕様にオープンワールドという大胆な変化にもかかわらず往年のファンを納得させるという偉業を成し遂げてしまいました。

しかもこれが一回目じゃなくて64時代の『時のオカリナ』でも成功させているわけですから凄いシリーズなんですよね。

これはゼルダの伝説というゲームが、どんな時代においてもプレイヤーが発見したりキャラクターを動かす喜びというゲームで得られる根源的な快楽を最新の技術を使いながらも丁寧に紡いできたからに他ならないのだと思います。

 

『Hyper Light Drifter』はインディーゲームなんですが、インディーゲームというのはある程度技術の進化から距離を置いた場所に存在していることが許されているんですよね。

玉石混交な世界ではありますが、今作は長い時間と予算をかけて制作されていることもありゲームとしては一級品。

ゲーム性はもう完全にゼルダを意識して作られているのですが、おそらくドット絵にこだわっていることも含めてファミコンゼルダ1作目やスーパーファミコン神々のトライフォース』を強く意識して作られているのでしょう。

しかし今作はただのゼルダオマージュに留まらずに独自の進化を遂げています。

ファミコンスーパーファミコンの時代ではたどり着けなかったドット絵の新しい表現・進化に加えて操作のスピード感やマップ移動のストレスからの解放など。

それによって何が起こったかというと、私自身このゲームをしばらくプレイしていて自分自身の感覚を疑ったほどですが、『ブレスオブザワイルド』をプレイしているような錯覚に陥ってしまいました。

 

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たくさんの遺跡を巡り謎を解いて世界を放浪する。

その発見の喜びや、感じられる広さなどは間違いなく『ブレスオブザワイルド』で得た感動と一緒でした。

 

時のオカリナ』とも、携帯機で出た初期作に近い作りのゼルダとも全く違う感触。

『ブレスオブザワイルド』としか例えようがないのです。

ドット絵のゼルダを独自に進化させて『ブレスオブザワイルド』に近いものが出来てしまうとは・・・。

いかにゼルダの初期設計が完璧だったかということも思い知らされましたし、それらを完全に理解して今作を作った制作者にも脱帽です。

 

『ブレスオブザワイルド』云々というのは私の個人的な感想・感動ですが、今作『Hyper Light Drifter』は決して古臭くなく、新しい体験をプレイヤーにもたらしてくれる傑作であることには間違いありません。

是非プレイしてみて下さい!!!

 

 

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Detroit Become Human(PS4)

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Detroit Become Human

2018年5月25日

クアンティック・ドリーム

PlayStation 4

 

ストーリーのネタバレなしの感想です。

 

『Detroit Become Human』は今からわりと近い未来~2038年のデトロイトのとある住宅にて人質を取って立てこもるアンドロイドを説得するために派遣されたコナーというアンドロイドの登場によって始まります。

 

2038年の世界ではデトロイトを中心にアンドロイド産業が発達し家事タイプや警備タイプなどの様々なタイプのアンドロイドが企業や一般家庭に普及していて、それによって人間の失業率の増加などの問題が生じていて一部の人たちにとってアンドロイドは憎悪の対象にもなっていました。

そんな折に冒頭の事件が起きます。

アンドロイドが人間に抵抗した最初の事件です。

人間に逆らうという本来のプログラムに反したアンドロイドは変異体と呼ばれ、この事件を境に変異体による事件が続き、主人公の一人であるコナーは一連の事件を捜査していくことになります。

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一週目を終えて

ディレクター兼シナリオライタージョン・ケイジ氏はファミ通.comのインタビューの中で「プレイヤーの皆さんへのお願いとしては、最初の1回だけは、自分の心に従った選択でプレイしてほしいです。」と語っています。

私が一切の情報をシャットアウトして一週目を自由にプレイしてみて思ったことは、冒頭の事件とプレイヤーである自分との干渉の深さです。

もしも自分がこのゲームをスタートしていなかったら2038年のデトロイトに変異体は生まれず平常運転が続いていたのではないかという錯覚。

それほどまでにゲーム内の世界全体にプレイヤーが影響を与えているという没入感・説得力がこの『Detroit Become Human』にはあります。

 

アドベンチャーゲームの最高傑作

PS3Xbox360の時代に「ゲームの性能がここまで上がった今、ゲームのストーリーも映画レベルに達していなくてはならない」という高い志で作られたのがロックスターゲームスの『グランド・セフト・オートⅣ』。

これを皮切りに海外ゲームのストーリーの質は底上げされ、そこへ登場したフランスのゲームメーカーであるクアンティック・ドリーム『HEAVY RAIN 心の軋むとき』は、ストーリーへの没入感に徹底的に特化した作品として高い評価を受けました。

 

HEAVY RAIN』の操作は非常に特殊なもので、ドアを開けるアクションひとつをとってもドアノブを「掴む」「回す」「押す」のような細かい動作を段階的に体験することによって主人公とプレイヤーの一体感を演出し没入感を高めることに成功しています。

これはアクション性がさほど高くない静的なドラマ部分において非常に高い効果を発揮します。

逆にアクション性の高いシーンにおいては古臭いQTEが採用されていることが一部のプレイヤーにはネガティブな印象を与え、今後への課題にもなっていました。

おなじくゲームのストーリーに特化させたもう一つの成功例がカリフォルニアのノーティードッグ社の手掛けた『The Last Of Us』や『アンチャーテッド』シリーズですが、こちらはアクション演出に強い反面ドラマの静的な演出には主にムービーの挿入を採用しています。

ストーリーに特化して進化したこの方向性の違う2社のゲームを私は全力で支持しますが古参のゲームファンからは「こんなのゲームじゃない!」と定期的に批判の対象にされるのを非常に残念に思います。

 

HEAVY RAIN』で採用された独自の操作は他社のゲームでも模倣され、その中から『ウォーキングデッド』や『ライフイズストレンジ』などの傑作も生まれました(一部開発者も被る)。

特筆すべきは『ウォーキングデッド』の一作目で、これはもう原作の良さと設定の勝利でした。無政府状態の世界で幼い少女を守るためにプレイヤーは究極の選択を常に迫られることになります。感染した仲間をどこかのタイミングで殺さなければならないとか、少ない食料をどう分配するかなど極限の緊張が没入感を高め、エンディングを迎えるころにはストーリーと自分の感情が完全に同期して抜け殻のような状態になります。

究極のトラウマゲーとも呼ばれる『ウォーキングデッド』ですが、これが『HEAVY RAIN』の操作システムと非常に相性が良い。

『ウォーキングデッド』や『ライフイズストレンジ』をプレイした後に『HEAVY RAIN』をプレイすると大分物足りなく感じると思います。

 

私はゲームでしか体験できないことが体験できればもうそれはゲームだと思っています。しかしストーリー性の高いものほどそれがゲームでなければならない意味を持たせる設定や説得力が重要になっていきます。

『ウォーキングデッド』や『ライフイズストレンジ』はそういう意味では『HEAVY RAIN』を上回っていました。

クアンティック・ドリームが『HEAVY RAIN』の次に出した『BEYOND: Two Souls』は同じようなシステムを採用していながらストーリーのテーマやディテールばかりにこだわりすぎて『HEAVY RAIN』よりもむしろ没入感や感情移入は薄れ、こういったゲームの批判によく使われる「プレイする映画」になってしまっていたと思います。

なので今作『Detroit Become Human』に対してもそこまで大きな期待は持てないでいました・・・が、その思いは少しプレイしただけであっさりと覆されました。

 

『Detroit Become Human』では3人のそれぞれ境遇の違う立場にいるアンドロイドを交互に操作していきます。

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しかし環境は違ってもアンドロイドはアンドロイドなので人間の命令には絶対に服従しなければならないし、もしもプログラムにない行動を取れば変異体とみなされ廃棄されてしまいます。

人間がアンドロイドに取る対応は非常に不条理なものが多く、プレイヤーは次第にアンドロイドに同情し、感情移入しやすい状況に追い込まれて行きます。

ストーリーが進むにつれ、自分がアンドロイドとして行動することが世界にどれだけの影響があるのかがわかっていき選択肢を選ぶのにも慎重さが高まって、気が付けば自分の中に人間とアンドロイドが共存して引き裂かれるような気持ちになりました。

私がアンドロイドを操作する時、初めてアンドロイドに心が宿ります。それはこのゲームを一周した後の冒頭の事件にもつながって「私がこのゲームを始めたせいで変異体が生まれた」という錯覚にもつながります。

この設定の巧さ、その引き裂かれるような感情に沿ったストーリー展開はこちらの期待を常に上回り最後まで駆け抜けるように没入してプレイすることが出来ました。

 

もしもまだこのゲームを未体験の方がいたら情報を全てシャットアウトしてプレイしてみて下さい。一周約10時間程。現時点で最高のアドベンチャーゲームがプレイできます。

 

世界観

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『Detroit Become Human』は映画『猿の惑星』シリーズによく似ていると思いました。

猿の惑星』シリーズは最初の2作こそ純粋なSF作品なんですが3作目から大分色合いが変わってきて、舞台も現代に近いリアリティのある設定で差別や奴隷制度がテーマになっていきます。

特に4作目にあたる『新・猿の惑星』では犬と猫がウイルスで絶滅して人間は猿をペットにするんですが、犬猫と比べて人間に近い猿に対して同族嫌悪が生まれ暴力や差別の対象になっていき、もはやペットではなく奴隷のように労働力として使い始めるのだけどそれによって人間の失業問題なども起きて余計にヘイトを向けられてしまう。

そこへシーザーという自我を持った猿が現れて凄いカリスマ性で奴隷の猿たちを解放していって人間達と対立していくというお話。

近年のシーザー3部作と呼ばれる新作では主人公の猿は最初は人間に飼われていて、ある時期までは自分を人間だと思っているんですよ。

だけどある事件をきっかけに自分が猿だということがわかって心が引き裂かれていくのが見ていてとても痛々しいし、観客も猿に感情移入していって人間に対してはネガティブなイメージしか持てなくなってくる。

『Detroit Become Human』とも似たような展開も多くみられるし、根底に流れるテーマにも共通点は多いですね。

2作品に共通するのは「人間性とは何か?」「心は人間にしかないのか?」ということで、種族等に関係なく人間性のあるほうに味方したくなるんですね。

人間の文明が発展していった未来に人間が人間以外のものが持つ人間性に復讐されるというのが共通したテーマなんですね。

近い未来の猿やアンドロイドにリアリティは持たせているけど被差別者のメタファーとしても人間とは何かを考えさせられる深いテーマですよね。

もしも『Detroit Become Human』のテーマに興味を持たれたら『猿の惑星』シリーズもお薦めしたいです。

娯楽作品としても見やすくて面白いですよ。

 

隙のない作り

これまでのクアンティック・ドリーム作品も選択による分岐でストーリーの展開が多少変わることはあったのですが、今作では序盤から重要な選択肢が多くてストーリー分岐のフローチャートがいつでも閲覧できるようになっています。

私はまだ一周しかしていないのですが、フローチャートを見るとまだまだ沢山のエピソードが隠されていて埋めたくなります。

ストーリーを進めているだけで手に入るポイントで特典のアートや映像を簡単に解除することが出来ます。

映像には制作過程のドキュメントや出演者へのインタビュー、脇役のキャラクターにスポットを当てたスピンオフ的なものなどが盛りだくさんでかなり見ごたえがあります。

 

 

『Detroit Become Human』のためだけに去年は東京ゲームショウにも足を運びました。期待と不安の中でずっと待っていた今作は本当に本当に最高傑作でした。

 

最後に。

最高のゲームをありがとうクアンティック・ドリーム!!

次回作も楽しみにしています!!!!

 

 

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真流行り神2(PS4)

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流行り神

日本一ソフトウェア

2016年7月7日

PlayStation3PlayStation4・PlayStation Vita

 

前作『真流行り神』から2年後に発売され、ゲーム内の時間も2年後という設定の続編。

 

原点回帰

前作で新生して好調な売り上げを記録したにもかかわらず、旧作の路線へと原点回帰しています。

科学・オカルトルートも復活しシナリオも旧作を手掛けた新川修平氏(日本一ソフトウェア社長)を起用するなど、原点回帰の方向へかなり意識的に舵を取っている作品になっていました。

新川氏のインタビューを見ると「エグいものを見せるためにエグいことをするっていうのは本末転倒」のような、前作への否定的とも取れるような発言があるのが印象的です。

 

当ブログでも書きましたが、

 

miyabi-game.hatenablog.com

 前作『真流行り神』は、新しい方向性を打ち出せてはいるものの都市伝説から離れてしまい旧作のファンを満足させられるタイプの作品ではありませんでした。

個人的にはこの路線もそこまで悪くないと思うのですが、やはり旧作ファンへの不満を解消しシリーズを継続させたいという思いから原点回帰に踏み切ったようです。

 

都市伝説の復興

今作の主人公は前作同様捜査一課の北條紗希。

前作のグロ路線から都市伝説路線に方向転換した今作ですが、主人公の前作でのトラウマがフラッシュバックしつつも乗り越える描写が序盤にあり、前作をプレイしていなくても問題なくプレイできる配慮がなされています。

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特に第1話と第2話はかなり力の入ったシナリオだと思います。

都市伝説へ回帰しながらも必然的なグロ表現も大胆に見せているあたりに旧作・前作ファンへの配慮と自信が感じられます。

 

中盤からは感動系やギャグ系などのバラエティ色が強くなっていて一本のゲームとしては十分楽しめるのですが、やはり新しいシリーズの船出としてはガチガチの都市伝説の恐怖で固めてほしかったですね。

シリーズを続行させる気満々の気を持たせた終わり方や旧作ファンへのサービスも含めて作品的に「繋ぎ」のような印象を与えてしまっているように思います。

旧作ファンからすると旧作のテイストが戻ってきてくれて嬉しいし、質の高いシナリオもあって合格ラインは超えているのですが、満足度はそこまで高くない。

これでもし3が発売されなかったらシリーズ中最も印象の薄い作品にもなりかねません。

登場するキャラクター達も丁寧に描かれてはいるのですが、まだまだ彼らを十分に生かしたエピソードも出そろっていないので是非とも3作目が発売されることを願っています。

 

 

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マッドマックス(PS4)

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マッドマックス

2015年9月1日

アバランチスタジオ

PlayStation 4Xbox OneXbox 360Microsoft WindowsLinuxMac OS

 

マッドマックスのクリア後の感想です。

 

 

映画のゲーム化

映画やアニメなどの原作があるもののゲーム化に我々日本人はあまり期待できない空気が出来てしまっていますが、海外の場合はよくできているものが多いです。

それはちゃんと制作者たちの作品へのリスペクトやゲームへの理解が噛み合っていることや、ファンの多い作品のゲーム化にはそれなりの予算がかけられているものが多いように思えます。

 

単純なキャラゲーにまとめずに、スターウォーズならFPS、エイリアンならステルスゲーにするなど、ジャンルとの相性とゲームとしての完成度をかなりの高レベルでまとめあげているものが多いです。

 

で、マッドマックスなんですが、これはオープンワールドのゲームです。

マッドマックスとオープンワールド。実際やってみての感想は・・・ほぼ完璧な仕上がり!!マッドマックスの世界を改造車でどこまでも走れる!!サイコー!!!ということに尽きます!!

 

 

とにかく最高!!!

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ゲームと原作のつながりでいえば2作目や最新作である『怒りのデスロード』との関連性やオマージュが多く見受けられるので最低でもこの2本は鑑賞することをお勧めします。

原作もまあストーリーっていうほどのストーリーはなくて、車で走り回って奪ったり殺したりするだけなんですけどね!!

海外の原作ものって原作者がやたら口出ししてきて解かりづらいごちゃごちゃした設定をぶっこんでくるスピンオフ的なものじゃない限りはファンならすんなり入ることが出来る世界なんですよ。

これは強みだと思います。

だってもう知ってるんだから。

逆に知らない人がやると退屈だったり状況を飲み込めずに混乱するというリスクもありますが。

 

 

オープンワールドとの相性 

オープンワールドゲームの批判でよく耳にするのが「入れる建物が少ない」などに代表される「広いだけで出来ることが少ない」のようなもの。

有名なオープンワールドのゲームを遊んでみると実際は出来ることの数は一般的なゲームの水準に達していたりするのですが、いかんせん世界が広いので相対的に少なく感じてしまうんですね。

そういった問題をこのマッドマックスはクリアしています。

マッドマックスの世界は戦争による大量虐殺で砂漠化・資源の枯渇。

無政府状態で弱肉強食の世界。

野盗集団は自動車を崇拝していてガソリンとスクラップだけが価値あるものとして存在しています。

そうです、マッドマックスの世界はもともとやれることが極端に少ないのです!!

建物なんてほとんど存在せず人々は地下の狭い空間で暮らしているし、木々などの自然も残っておらずどこまで行っても砂漠です。

・・・こう書くと手抜きゲームと思われるかもしれませんが、誤解です。

だって原作がそういう世界観なんだから!!

そして、マッドマックスの世界で出来ることは大体できる。

これはある意味オープンワールドの正解なのではないかと。

不満が全くないんだから。

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このゲームにあれが足りないこれが足りないといった批判は全て当て嵌まりません。だって原作にないことはなくていいんだから。

そして世界はやたらと広大で美しく、見惚れるほど完成度が高い。

 

 

なにをするゲーム? 

とにかく野盗を見つけてぶっ殺します。

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野盗の車に自分の車をぶつけて破壊したり、奴らの拠点に乗り込んで拳や鉄の棒で殴り殺します。

そこからガソリンやスクラップなどを押収して自分の車を改造したり弱者達が集まっている拠点を補強することで自分自身も成長していきます。

やることは単調なのですが、システムがわかりやすくマップも全部砂漠なのに作り込まれているので飽きない。

ストーリーは原作と同じでほぼないのだけど、ラストのほうには原作ファンも大満足出来る展開がきちんと用意されていて泣けます。

 

体力回復は主に水。雨水や地下水を水筒に入れて持ち歩きます。

地面によく目を凝らしてみると、稀にネズミやトカゲが歩いているので踏みつけて生でいただくことも出来ます。

あとは蛆虫が貴重なたんぱく源ですね。主食といってよいでしょう。

そこらで死んだ人から蛆が沸いているので直接死体に手を突っ込んでいただきます。

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 ご丁寧にも蛆の沸いた死体にはフォークの形の食事マークが出ているのでわかりやすいですよ!!

 

難易度は選べませんがほどほどです。誰でもクリアできると思います。

車がメインのゲームなのですが、ストーリーを進める上では一回しかレースらしいものはありません。

レース場が別に設けられているので好きな方はそちらをプレイするとよいでしょう。

 

 

唯一の欠点

どうしても書いておかなければならない欠点が一つ。

日本語の字がとても小さいです。結構大きな画面でプレイしていてもよく見えないくらいです。

セリフに吹き替えがないのでわりと困ります。

セリフ自体がそんなにないのが救いですが、これだけは日本の制作側の悪手だとしか言えません。

 

 

満足度100%

とにかくこのゲームをプレイしている時って全く頭を使わないんですよ。

大きな拠点をどう攻めるかとかは考えるけど、適当でも行けるし。たまたまうまくいったら気持ちいいし。ストレスがない。

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それでいて偶然美しいロケーションを発見して見入ってしまうというようなオープンワールドの醍醐味も詰まっていて、フォトモードも充実しています。

このゲームより完成度の高いゲームはわりとあるかとは思うんですけど、満足度で言ったらかなり上位。

ゼルダの最新作(ブレスオブザワイルド)より高いかも。

だって、謎解きも料理もしなくていいし。

もちろんそれらがあったほうがゲームとして楽しいのはわかるし、オリジナルゲームの新作ならこのゲームは及第点レベルだと思うんですよ。

でも、マッドマックスだから。

初めからないものはなくていいんですよ。

原作ありきのゲームとしての、なんていうか、幸福度が高いんですよね。

マッドマックスが好きでゲームも好きな方は是非プレイしてみてほしいです。

放浪者としてのマックスにうんざりするほどなりきれますよ!!!

 

 

 

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ドラクエ10~バージョン4.1の感想

ストーリーを含むドラクエ10のバージョン4.1(2月21日~)のコンテンツを一通り遊んでみた感想です。

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ストーリーは・・・ 

バージョン4で新たに追加された新世界「エテーネ王国」を舞台に話が展開されると思いきや・・・。

これまたバージョン3方式といいますか、いわゆる既出ネタの掘り起こしに入ってしまいました。

今までのストーリーに登場していたけれど深く掘り下げてなかった設定やキャラを使うというやり方。結局それらが最後に本筋のストーリーに合流して完結する感じなんでしょうね。

4.0のストーリーはキャラクターに謎を残すことでこの先に待つ予測不能な展開にワクワクできたのですが、今回からは一つの世界で短く完結することが見えてしまっているので物足りない感じがします。

やはり次回の展開を引っ張れるようなドラマの魅力が欲しいですよね。

バージョン2にはそれが出来ていて、バージョン3にはそれがなかったような気がします。

 

今回は1000年前のグランゼドーラ王国のマップがあって、現在のマップと比較するといろいろ変わっている地形や遺跡などを観光して楽しめます。

やはりマップの探索が楽しいと満足感はあります。

 

ストーリー自体はだいぶひどい出来でした。

合間に流れるムービーなんかはそこそこ良いのですが、演出のテンポがひどいしキャラクター達もとってつけたような魅力のない個性。

今回の舞台でのお話を1話で完結させるためとはいえ、やたらと説明ばかりのおもしろくないセリフばかりが連続して眠気を誘います。

内容は人それぞれなのでどうこう言う気はありませんが、テンポだけは良くしてほしいところです。教材で見せられるようなビデオよりもひどい出来です。

 

3月23日に公開されたアストルティアキャラクターズファイルの第2弾『吼えろ トビアス!』というものがあるんですけど

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こちらのほうがメインストーリーよりも格段に良かったです。

4.0ではメインストーリーが良くてこちらの第1弾であるリーネのストーリーがひどかったんですが・・・。

ビアスのほうはベタな展開ながらもテンポがよくてわかりやすく誰でも楽しめる内容になっています。

どうしてこのようなことが起こってしまうのでしょうか。

あまりにも全体的に一貫性のないクオリティ。とても凸凹な印象を受けます。

これはディレクターが交代してからのドラクエ10の全体的な印象とも重なります。

 

 

聖守護者の闘戦記 

細かいことは別記事でも書きましたが、かなり盛り上がって経済効果もすごかったようです。

ただ以前のドラクエではコインボスやピラミッドなどで年に数回起きていた盛り上がりが、今回のような年に1回程度実装されるハイエンドコンテンツのみでだけでしか盛り上がらないというのは少し寂しいですよね。

長く遊べる工夫としても、報酬を絞るだけというのが残念な感じです。

棲み分けとしてのアストルティア防衛軍もさっそく過疎っていますし、棲み分けが上手くできているのかは疑問です。

 

ちょうど聖守護者の闘戦記とアストルティア防衛軍の中間に位置していたコンテンツがピラミッドだったのかなと思います。

しかし運営側からもこれ以上日課週課を増やしたくないという強い意志が感じられます。

プロデューサーの発言などを見てみると新規プレイヤーをかなり意識しているのがわかります。なのでもうピラミッドのような必須アクセを取りに行くための日課コンテンツはあまり望めませんよね。

ピラミッドはライト勢とベテランプレイヤーが一緒に遊べる良コンテンツでしたが、ああいった絶妙なバランスはサービス2年目だからこそできたものなのかもしれません。

 

サービス6年目のオンラインゲームでここまで新規プレイヤーにやさしい作りは私はとても良いと思います。

同時に、やめやすくもなっていますが。

 

 

いにしえのゼルメア

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これは元気チャージの新しい使い方として実装されたコンテンツ。

たまった元気チャージを元気玉ではなくゼルメアの参加権とも交換できるようになりました。

ランダムに宝箱の置かれた部屋を当てていくゲームで、最新の防具が手に入るというものですが、全然面白くないし不思議の魔塔をコンパクトにしたようなものという印象を受けました。2週もしてると余裕で眠れます。

ディレクター談によると、別におもしろくしようとして作ったわけでもないようです。

お手軽な白箱みたいな感じなのかな? 

お出かけ便利ツールで十分済ませられるような内容なんだけど、なるべくみんなにログインしてほしいという工夫なんでしょうか。

じゃあもっとおもしろくしろよ!!

 

 

消えた新規プレイヤー

私はいつも継続課金していないので、だいたい(新人・カムバック専用)というサーバーで遊んでいます。1か月以上遊んでいると入れなくなるサーバーなんですね。

で、去年バージョン4.0の時ってPS4ニンテンドースイッチの新規プレイヤーがたくさんいてとても賑わっていたんですよ。

それが今回ログインしてみると全くと言っていいほど人がいなくなっていました。

そういえば去年の年末の時点で「ストーリーが終わってチーム員が全員やめてしまいました!助けて下さい!!」と白チャットで叫んでいるチームリーダーをメギストリスで見ました。

あれが全てのような気がします。

4.0の新規プレイヤーはドラクエ11から流れてきてストーリーだけやって大半はやめてしまったんだなぁと、新規サーバーにいると痛感します。

確かにこのゲームって新規プレイヤーにやさしい作りにはなっているのだけど、その新規プレイヤーがゲームに定着する仕組みをどんどんなくしてもいってますよね。

装備を買わなくていい仕組みは金策を放棄できますし、なんなら裸でもレベルの高いサポート仲間を借りればストーリーはクリアできます。

そういうスタンスでゲームをやる人はエンドコンテンツに臨むモチベーションも薄いわけで、定期的にバラエティ豊かなコンテンツが実装されることもない現在のドラクエ10なんてストーリーが終わったら全く魅力のないゲームになると思います。

 

以前私はこのゲームで依存症になったという記事を書きました

miyabi-game.hatenablog.com

 しかしそれももう過去のこと。

サービス開始直後のドラクエ10に限った話です。

現在のドラクエ10には全く依存性がないです。

ネトゲだから怖いと思っている方でも安心して遊べますよ。

だって一人で十分最後までストーリーを進められるし、ゲーム側が新規さん用のコースを完璧に作ってくれているのでそれだけやったらすぐにやめることが出来ます。

 

以前は職人も毎日がんばっているとお金がどんどん増えて中毒になる人もいたのですが、今は敷居も相当高くなって、大きく儲かるバブルも年に1~2度しか来ません。

サービス初期の競争の熱を浴びなければドはまりすることなんてまずないです。

 

今もずっと毎日遊んでいる、いわゆる依存症と呼ばれる人たちは存在するのだけれど、それはコミュニティであったり惰性で続けているだけでゲーム性とは無関係だと言い切れます。

そういう人たちは勝手にそういうスタイルで生きているってだけで別にドラクエ10だからそうなっているわけじゃないんですよ。

だからドラクエ10専用ツイッターアカウントを作ったり、ゲーム内で派閥を形成しているような人たちはもともとそういう人なのであってゲームのせいでそうなっているわけじゃないと思いますよ。

ただ、そういった中でも窮屈さや疎外感を感じながらも自分の意志で抜けられなくて苦しんでいる人もみかけるのですが、そういう人はそもそもネットで人間関係を築こうとすることが間違いであって、他人を批判することはお門違いかと思います。

 

 

以上バージョン4.1の感想でした。

私が4.0と4.1で明確に変わったと思うのはやはり最後に書いた「消えた新規プレイヤー」です。

ゲーム側はどんどん新規プレイヤーにやさしい作りの方向性へ舵を取っているのに肝心の彼らはもういない。

残っているのはやはりバージョン3を生き抜いたプレイヤーだけで、彼らはこの先もずっと毎日おなじエンドコンテンツを周回するのだから、もういっそ廃寄りの仕様にしてしまってもいいんじゃないか?・・・と、少し思ったりもしました。

 

 

 

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